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海外旅行気分で、大人ディズニーを楽しむ写真旅
 街を歩いていて、パリの街角みたいなカフェや、スペインの街中にあるようなバルを目にする機会が増えました。その度に「お、海外に来ているみたいだな」と思う訳ですが、その店舗だけで「海外」は終わってしまいます。

 しかし、関東に住んでいる方であれば、もっと海外っぽい雰囲気を、ある程度の広さをもって味わえる一番の場所がありますよね。

 そう……東京ディズニーリゾートです。


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EOS 5D Mark II + EF135mm F2L USM  東京ディズニーシー メディテレーニアンハーバー

 ディズニーランドよりもディズニーシーの方が、現実の街そのものが作り込まれている部分が多いので、旅行気分が増してきます。こういう景色を見ていると、イタリアの地中海沿岸に来た気持ちになりませんか? 建物の窓枠、テラス、天井の屋根、煙突など、どこを見ても実際のイタリアの建物のようです。


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LeicaM9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Aspherical ホテル・ミラコスタ

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LeicaM9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Aspherical イル・ポスティーノステーショナリー


 ディズニーシーのメディテレーニアンハーバーは、イタリアのポルトフィーノ、チンクエ・テッレなどの実際の街をモデルにしたと言われています。街の造り自体がとても精巧に出来ているのはもちろんですが、郵便局を模した建物のちょっとした小物や、海岸沿いの街灯も、どれもが本物のような雰囲気に満ちていて、スナップ写真を撮るのが楽しくなります。

 Nokton 50mm F1.5(1世代前)は、ライカMマウント向けレンズながら開放からシャープな絵を写し出す一本ですが、光源周辺に軽くハロが出るので、これが逆に良い味を出してくれています。このレンズはまだ現代的な部類のレンズですが、もっと極端な描写をするオールドレンズを使って、ディズニーシーで写真旅なんてどうでしょうか。とても面白い写真が撮れそうですよね。



アメリカンウォーターフロントへ


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LeicaM9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Aspherical ディズニーシー・エレクトリックレールウェイ

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EOS 5D Mark II + EF135mm F2L USM  ハーモニカガーデンズ・アウトドア・ダイニング

 個人的にとても好きなエリアが、20世紀初頭のニューヨークを模したアメリカンウォーターフロントの一角です。頭上を高架鉄道が走り、きらびやかな照明が街を彩る様子は、ヨーロッパとは違う新しいクラシックを感じさせてくれます。看板だけを見ていても、古きアメリカに来たかのような雰囲気を楽しめますね。

 このエリアは日没から少し経ってから撮影するのがおすすめです。看板と建物の陰影を撮るだけで、あたかも移民に溢れて喧噪渦巻くニューヨークのあの時代がそのまま写っているかのように撮影できます。


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EOS 5D Mark II + EF135mm F2L USM  ブロードウェイ・ミュージックシアター

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EOS 5D Mark II + EF135mm F2L USM   マクダックス・デパートメントストア前


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LeicaM9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Aspherical マクダックス・デパートメントストア

 マクダックス・デパートメントストアは、ドナルドダックの伯父の世界一金持ちのアヒル、スクルージ・マクダックが経営する百貨店という設定です。世界初の近代百貨店と言われる「ボン・マルシェ」がパリで創業されたのは1852年。アメリカ・ニューヨークでは南北戦争終結(1865年)後に百貨店の出店ラッシュがあり、ブロードウェイ近くに数多くの華やかな百貨店が建てられました。スクルージ・マクダックが最初に財産を得たのは1897年のゴールドラッシュで、その後にこの百貨店ができたということなので、既にある有名百貨店たちに殴り込みをかけた様子がうかがえます(笑)

 看板や建物の一部だけをシンプルに撮影すると、本当にアメリカに来たかのような一枚になります。加えて、バックグラウンドストーリーを感じながらのスナップ撮影は、本当に旅をしているかのような気分を味わえますね。



レストラン櫻に見る移民達の暮らし


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LeicaM9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Aspherical アメリカンウォーターフロント レストラン櫻

 アメリカンウォーターフロントの一角に日本料理のレストランがあります。日本人移民のチャーリー田中が開いたというレストラン櫻です。19世紀から20世紀初頭にかけてのニューヨークは移民の時代でもあり、華やかなブロードウェイとは対照的に、移民達の厳しい生活がそこにはありました。ゴッドファーザーPartIIで、イタリア人移民達が必死に生き残ろうとしていた時代がまさにそうですね。

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LeicaM9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Aspherical アメリカンウォーターフロント レストラン櫻

 レストラン櫻は、チャーリー田中が日本人移民の集会所のようになっていた魚市場「リバティフィッシュマーケット」を手に入れ、1905年に日本食レストランにしたというバックグラウンドストーリーがあり、あちこちに漁業・水産業関係の道具、設備が残されています。

 アメリカ本土で最も古い日本食レストランとされるのは、日本人漁民の茂田濱之助が1885年にロサンゼルスに開いた「カメレストラン」です。その後、このレストランの開店を契機として日本人街「リトルトーキョー」が形成されたという歴史があるそうです。日本人の集まる場所、そして漁業関係者という点でレストラン櫻のストーリーとも符合するような話で、なかなか興味深いところです。


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LeicaM9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Aspherical アメリカンウォーターフロント レストラン櫻

 レストランに描かれた歴史ある雰囲気とは裏腹に、実際の移民の暮らしは大変貧しかったことも忘れてはなりません。

 日本でも明治維新後の都市部は衛生状態が悪く、下層民の暮らす地域ほど大規模伝染病が蔓延していたと言います。浅草区田中町では人口1,044人に対して、結核等の肺炎系の病因やコレラ等の腸炎系の病因等の諸死因を合わせると、1年で229人の病死者(1921年)が出ていたとされ(石塚裕道著「東京の都市スラムと公衆衛生問題」より)、地方からの人口の大量流入と、都市スラムでの大量死が繰り返されていました。同じように、最底辺の暮らしを強いられたニューヨーク移民達は、生き残ることさえ厳しい環境だったことでしょう。

 懸命に生き抜いた結果がこのレストランなのだと思うと非常に感慨深いですよね。

 そう簡単に旅に出ることができないときでも、海外旅行気分で写真を撮りに出かけてみるのもなかなか楽しいものです。歴史の裏側を感じながら、大人なディズニーの旅に出かけてみてはどうでしょうか。



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by vivid_bit | 2014-07-21 17:50 | EF135mm F2L USM
世界遺産の教会と、光と(ズミルックス35mm / F1.4 作例)
 Summilux 35mm F1.4 の古い世代のレンズは、とんでもなく妖しいボケ玉ということで有名ですが、その描写に見合う素晴らしい写真を手に入れるためには、相当の訓練を要するものと思われます。(では私ができているかって……? いや全然……。)

 私が使用しているのはSummilux 35mm F1.4の第2世代です。このレンズも時代がかったボケで、他に例の無い描写をしてくれます。ハマった時の美しさは絶品です。ただこの相当な曲者ですので、果たしてどうなるものか。

 フランス・カルカソンヌ の城塞内にある歴史ある教会で、クラシックレンズらしさを生かしてみようと思います。

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Leica M9  + Summilux 35mm F1.4 2nd  フランス カルカソンヌ  サン・ナゼール聖堂(バジリカ教会)

 ステンドグラスの向こうから漏れる光の滲み方が、実に特徴的で、とても美しいです。開放で撮影したときにベールがかかったような甘いレンズというものはありますが、このレンズはその域を超えたソフトフォーカスのような描写になります。焦点距離が違いますが、開放でもシャープな描写を見せるVoigtlander NOKTON 50mm F1.5 Asphericalとは対極にある印象です。

 この描写が面白すぎるがゆえに、何でも開放で撮りたくなってしまうところですが、これが過ぎるとつまらない写真を量産することになるので要注意ですね。

 サン・ナゼール大聖堂は、ロマネスク様式とゴシック様式の融合を見ることができ、歴史的にも価値のある建築物です。ところが1600年代になると、カルカソンヌが戦略的価値を失い、城塞地区全体の荒廃が進みました。荒廃したのは聖堂も同様だったようです。

 カルカソンヌ城塞は1800年代に大修復されますが、その手始めはこの聖堂の修復でした。


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 ろうそくの光も優しく、心の中の風景のような神秘的な描写です。先のステンドグラスの写真以上にとても曖昧で絵画的な表現を見せてくれますね。

 ズミルックス35mmの第2世代までは球面レンズのみで構成されています。そのため第1世代、第2世代は大変に柔らかく、甘い描写と独特のボケとなります。この描写に魅せられる人がとても多いそうですが、それも頷けます。多くのレンズがある中で、スペック的には真っ当なレンズで(魚眼レンズやシフトレンズではなく)ここまで独特の個性を持つものはなかなか無いと思います。




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 太陽光が直接入ってこない側を撮影しました。極端な光線状況でなければ、ハイライト部での滲みは出ません。むしろ普通の描写とさえ言えるでしょう。

 フィルム時代は、どういう絵になるのか読めないところがあったのですが、デジタルカメラ時代のライカであれば、このあたりは都度確認ができます。フィルム時代からも有名なレンズではありましたが、デジタル時代でさらに活躍の場を増やすことになりそうですね。



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 ステンドグラスの微細な部分まで解像し、歪みもありません。幾何学的な美しさと教会芸術の神秘を素直な気持ちで受け入れることができます。色彩の美しさについ目が行きがちですが、モノトーンの中から現れてくる造形美も実に見事です。

 聖堂の建築様式だけでなく、このステンドグラスも南フランスの特徴が現れていて興味深く、つい長居してしまうところでした。

 クセも強いこのズミルックス35mm第2世代ですが、改めてこれらの写真を眺めていると、もっと色々な場面に持ち出して、その空気感を演出していきたいと思えてきます。もっと訓練をしないといけませんね!



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by vivid_bit | 2014-03-08 23:18 | Summilux 35mm F1.4
カルカソンヌの城壁は凄い迫力だった
 フランス南西部にあるカルカソンヌはその城塞の巨大さで有名です。間近で見るとその壁が二重に形成されていて、非常に堅固であることがよく分かります。攻城砲の運用がはじまるまでは、とても攻め落とせない場所であったに違いありません。

 そしてその姿はゲームの世界にあるような中世のお城そのもの。主人公のような気分で門へ近づきます。

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LeicaM9 + SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical II  フランス・カルカソンヌ

 いざ城壁に近づくと、恐ろしい高さで壁はそびえ立ち、夕日が黄色く染め上げています。太陽の反対側に当たる澄んだ青空とは対照的な色合いですね。そして、SUPER WIDE-HELIAR 15mmがコントラストの強い、非常に力のある描写をしてくれます。15mmという超広角域の画角が、城の持つ力強さを一層増しているような気がしますね。

 これだけ高い城壁が残っているというのは、その後この地に戦乱が無かったという意味にもなります。15世紀に火砲が発達すると、高い城壁は簡単に撃ち崩されることとなり、その防御的価値を低下することになりました。このような戦争技術の変化を受けて、高い城壁を持つお城から函館の五稜郭のような星形要塞へと姿を変えていくのです。カルカソンヌの城塞は、時代の流れに関係無くそのままであり続けました。

 つまり古風な城の形は、その後の土地の平和の象徴でもあるわけですね。


 で、その中はどうなっているかというと……。


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LeicaM9 + SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical II  フランス・カルカソンヌ

 案外人がぎっしりで、俗っぽかったという……(笑)

 やはりザ・観光地というのはこういう風になりがちですよね。



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by vivid_bit | 2014-03-04 18:00 | SWH 15mm F4.5 II
NOKTON50mmF1.5を片手にカルカソンヌの城塞へ
 フランス・カルカソンヌの城塞は街からほど近いところにあり、宿からは徒歩15分ほで城塞までたどり着けます。ライカM9にフォクトレンダーのNokton50mm(旧モデル)やSUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical IIを手に、世界遺産に指定されている城を目指します。

 城塞の外には微妙な古さの街並みが続いており、世界遺産的な街とは違って日常の延長のような楽しみがあります。

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LeicaM9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Aspherical フランス・カルカソンヌ

 カルカソンヌに宿泊する際には、城塞(シテ)の中に宿泊するか、外に宿泊するか迷うところです。ただ歩いてもそれほどの距離ではないですし、実際に私も1泊のうちに3往復できたくらいなので、それほどこだわらなくてもいいのかなと思います。それにシテ内のホテルは高いですからね。



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LeicaM9 + SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical II  フランス・カルカソンヌ


 古い街並みの中にも、人々の日常があります。


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LeicaM9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Aspherical フランス・カルカソンヌ

 市街地を抜け、小高い丘を取り巻く坂道の上には、絵に描いたようなヨーロッパの古城がそびえ立っています。急な坂道を登っていくと、その城の威圧感は否応にも高まってきます。石の力強さと丘が作り出す自然の光景が対照的でした。


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 ボルドーの写真でもノクトン50mmF1.5の立体的な描写をご紹介しましたが、やはりこのレンズは只者ではありません。富士フイルムXシリーズのXF35mmF1.4 Rも素敵なレンズなのですが、フルサイズで使用できるノクトンはボケ量が大きく、それだけ立体的に見えます。

 

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LeicaM9 + SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical II  フランス・カルカソンヌ

 どっしりと構えた城塞の重々しさにただ圧倒されます。火薬を使った兵器の無い時代に、このような城塞との戦闘は地獄のような光景だったことでしょう。石造りの城塞が醸し出す厳粛は、滲み出るその歴史の重さとは無縁ではありません。世界遺産という言葉の軽さとは裏腹に、この建築物全体が武器なのだということを本能的に思い知らされました。



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by vivid_bit | 2014-03-02 18:00 | NOKTON50mm F1.5
トラムのある街・ボルドー by NOKTON 50mm F1.5
 トラムが走っている街は独特の温かさがあります。色々な理由はあると思いますが、街全体が車一色に染まらずに、人や歴史との調和というものを人々が大事にしているからかもしれません。

 ボルドーもそういった面が色濃い街だと思います。そして、大西洋に注ぎ込むガロンヌ川の左岸に広がる世界遺産の指定地区をトラムは走ります。近未来的なデザインの車体と歴史ある街が調和しているのが何とも不思議に思いませんか?

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LeicaM9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Aspherical フランス・ボルドー


 このトラムはご覧の通り架線がありません。どうやって電気を引いているのでしょうか? 電池でしょうか? いえ、レールをよく見て下さい。2本のレールの間に、なぞの線が一本ありますよね。この線の地下に電気を流す第三のレールがありまして、いわゆる第三軌条方式と呼ばれる仕組みなのです。実際にこの集電レールはほとんど隙間がなく、その下に電気が流れていることはもちろん、その下にトラムからどうやって差し込んでいるのかも分からない程です。

 第三軌条方式といえば東京では銀座線があります。銀座線のホームから線路の反対側を見ると電流注意のプレートが出されているのですが、このトラムにはそうした注意は一切ありません。確かに、この下に足を突っ込んでしまうような危険性は無さそうです。

 フランスでは各都市において野心的な交通システムの導入がなされることがありますが、ボルドーの第三軌条方式(路面集電システム)はその最たるものと言えそうです。



アラン・ジュペ市長の施策とトラムの関係

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 このトラムの整備は、当時のアラン・ジュペ市長が進めたものですが、単にトラムの整備だけではなく、ガロンヌ川沿いの歴史地区の整備として一体的に進めたものです。ガロンヌ川沿いのフェンスを撤去して、市民に対して自由に開かれた公共空間が提供され、同時に歴史との調和が図られました。この写真でお見せした水盤もそのときの改革で作られたものです。

 結果として、これらの都市再整備が世界遺産登録につながりました。ですので、世界遺産の街にトラムを通したというのは少し間違った見方でして、両者の再構築・再整備は密接不可分だったのだと思わなければならないでしょう。




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 日本では各地で世界遺産の登録を目指して活動が行われています。しかし、その活動は形式的なものに過ぎるのではないでしょうか。街を形取った歴史の再生と、今を生きる人々の足の整備を一体的に考え、その成果として登録を得るという発想があるでしょうか。鎌倉市が非常に拙速な申請により実質NGが出て、当分の申請活動ができなくなりましたが、ボルドーの取り組みと対比するとそれは当然の結論と言わざるをえません。

 一時期、ボルドーのアラン・ジュペ市長は、フランス共和国の首相も兼務していました(ジャック・シラク政権)。その後、国防大臣と外務大臣にも就任しており保守政界の大物と言える人物です。市長と首相を兼務できるという制度上の違いはありますが、日本でそのような大人物が地方自治体にいるのかというと、暗澹たる気分になってしまいます。

 世界的に魅力のある都市整備には、それだけの強力な政治力が必要だと認識しないといけませんね。


ボルドーのトラムと街の人々と


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 政治のありようとは無関係に、電停で待つ人々の姿にもドラマがあります。

 カメラ片手にただこのトラムの路線沿いを歩いていたのですが、あらゆる瞬間にドラマがあり、全く飽きることがありませんでした。

 そしてこの写真。トラムの通過に合わせてカメラを構えていたら、ピースしてくれました(笑) すれ違ってお互い笑顔。嬉しいですね。

 パリはいかにも大都会といった雰囲気でしたが、ボルドーのほどよく気ままな都会さと自由さがとてもいいです。

 以前取り上げたプラハ もそうですが、街に歴史が溶け込んでいる街は、時代の気ままさに左右されない独特の空気が市民に根付くのかもしれません。



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 先代のノクトン50mm (NOKTON 50mmF1.5 Aspherical)で撮影していますが。ピントの切れも良く、ボケも自然なので、レンズのクセを意識せずにありのままにカメラを楽しめる一本です。

 難を言うなら写りが良すぎるというところでしょうか(笑) ライカ使うならもっと味のある写真を撮りたいという人は多いかもしれません。

 さて写真に戻りますが、ボルドーのトラムは旧市街地の中心を通る庶民の足として大いに活用されていて、ほぼ満員の状態で運行されていました。この電停はサンタンドレ教会という名所であることに加え、乗り換えにも使われることもあって、特に利用者が多いようで、常に多くの人がトラムを待っています。



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 JR東日本元会長の山之内秀一郎氏が大学に講演に来たときに「路面電車はマニアのための乗り物」と切り捨てていたのですが、旧市街地の都市再生計画と調和した交通手段という点で、トラムの重要性は各国でも年々増しているように感じます。ボルドーにトラムが導入されたのも、その講演のずっと後でした。

 確かに日本は人口密度も高く、到底トラムの輸送効率では処理できない路線も多いとは思うのですが、京都のようにいまだにバスが幅をきかせている大都市も少なくありません。都市景観や環境への配慮、大規模公共投資を不要とするいう点で、見直すべき交通手段であるように思いますね。

 そして、都市スナップにはとても魅力的な被写体であることも、メリットに付け加えて頂ければと思います(笑)



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by vivid_bit | 2013-12-11 11:34 | NOKTON50mm F1.5
月の港ボルドー ワインの都の水鏡にて
 ボルドーといえば想像するものは恐らくワインでしょう。ではフランスの都市、ボルドーはどんな街だと言われて、想像が付くでしょうか?

 実はボルドーの中心市街地は「月の港ボルドー」という定義で、世界文化遺産に選ばれています。普通「世界文化遺産」と言うとスポット的に特定の歴史的建造物という形で指定されることが多いですが、このボルドーは違います。ボルドーはワイン貿易で栄え、近世からの歴史建造物が多く残っているため、市内人口24万人の都市でありながらも街の中心エリアが面として世界遺産に指定されているのです。

 その中心に位置するのがブルス広場( Place de la Bourse )です。

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LeicaM9  + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical II

 ブルス広場には「水鏡」( Miroir d'eau )という薄く水を張った施設があり、ブルス宮殿とトラムを眺めるボルドーを代表するシンボルとして知られています。

 どうですか。この絶景?




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Canon EOS 5D MarkII + Carl Zeiss Vario-Sonnar T* 80-200mm F4

 水鏡の上でダンスの練習をしている二人組がいました。絶景だからこそ絵になります。

 奥に見えるのは旧商工会議所です。フランスの壮麗な建物というと、つい王侯貴族によるものを想像してしまいますが、ワインの街・ボルドーでは、貿易商人が大変な力を持っていたことがうかがい知れます。歴史ある風景も、現代的なアートの文脈に溶け込むことができる点は、さすがフランスの懐の深さといったところでしょうか。

 ちなみに建物のほとんどは石灰岩で造られているのですが、これらの石灰岩は、ボルドー近郊にあるワインで有名なサンテミリオンのあたりから運ばれてきたものだそうです。


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Canon EOS 5D MarkII + Carl Zeiss Vario-Sonnar T* 80-200mm F4

 なぜここで歩きながら電話しているかよく分かりませんが、なんとなく自由になる場所ではありますね。

 ビジネスの最中のような方がウロウロしていたのも印象的な点でした。






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Canon EOS 5D MarkII + Carl Zeiss Vario-Sonnar T* 80-200mm F4

 ネオクラシック様式の壮麗な建物が目に飛び込んできます。


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Canon EOS 5D MarkII + EF24-70mm F2.8L USM

 一定時間ごとに水が引きます。これはちょうど引いたときの写真です。

 観光客もそれなりに多いのですが、それよりも地元の人が大変多く、童心に帰って楽しんでいる様子が見られます。季節ごとにまた楽しみがあるんでしょうね。




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Canon EOS 5D MarkII + EF24-70mm F2.8L USM

 友達の男の子に水をたくさんかけられて泣いてました。

 美しい場所には必ずドラマがありますね。




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Canon EOS 5D MarkII + EF24-70mm F2.8L USM

 水が引いた後、突然現れるのがこのミストです。ミストが出たときも絵になります。








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Canon EOS 5D MarkII + EF24-70mm F2.8L USM



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Canon EOS 5D MarkII + EF24-70mm F2.8L USM

 昼過ぎに突然の雨が降ったのですが、すぐに雲は切れ、空気は一層鋭さを増しています。日が暮れると共にその雲に遠方の光がかかり、色を増していきます。





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LeicaM9  + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical II

 広場の真ん中には架線の無い最新式のトラムが通り、夕暮れと共にこの広場の美しさが増していきます。ボルドーの西は大西洋。海の向こうから届く綺麗な光が、リゾートを思わせるような夕暮れを演出してくれます。




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LeicaM9 + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical II

 美しい空の下、子ども達は元気です。




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LeicaM9  + Summilux 35mm F1.4 2nd

 日が暮れて、ズミルックス35mmの淡い写りが夜の訪れを描き出します。少しにじんだこの光景は決して大げさなものではありません。むしろ記憶の中のイメージはこの通りと言える気がします。

 ボルドーのこの美しい光景は、一生忘れることが無いでしょう。


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ボルドー(Bordeaux)
フランス南西部の要衝となる都市。アキテーヌ地域圏の首府。都市圏人口85万人。2007年に世界遺産登録。

日本から直行便無し(日本からはパリまたはアムステルダム経由の航空便となる)。またはパリからTGV直行便で約3時間30分(東京から新幹線で岡山あたりまでの所要時間に相当)。

ボルドーで撮影した写真はこちらへ → ボルドー
フランス南西部の美しい町の写真もどうぞ → サルラ





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by vivid_bit | 2013-11-06 18:28 | SWH 15mm F4.5 II
ノクトン50mmで行く鎌倉の旅
 「カメラマガジン」(エイ出版)を読んでいたところNOKTON50mmF1.5が復活するとのニュースが!

 NOKTON 50mm F1.5 Aspherical(VMではない)を買ったのは11年前。慣れ親しんだレンズではありますが、新たなレンズは真鍮製の鏡胴のクラシックな鏡胴で購買欲をそそります。これは気になります……。

 とはいえ、今のこのレンズに大きな不満が無いので、なかなか手が伸びなさそうです(笑)

 コシナが送るフォクトレンダーブランドのこの一本を片手に鎌倉を旅します。

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LeicaM9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Aspherical(以下全部同じ)

 やはり不満、無いですね(笑)

 ボケの部分も自然で、立体感のある描写です。

 同じコシナ製のフォクトレンダー NOKTON 50mm F1.1やプラナーT*50mmF2 ZMなどに隠れてあまり知名度が高くないレンズですが、開放からキレのある本当によく撮れるレンズです。

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 被写体がイメージ通りに浮かび上がり、スナップ撮影するのが楽しくなります。




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御霊神社(長谷駅近く)

 小さな神社で人も少ないのですが、江ノ電が近くを通っていて独特の風景が広がります。



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 ちょっと背景がザワザワしますね。とはいえこの写真ではクラシックレンズで撮ったような味があっていいなと思います。





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 ボケも柔らかくて綺麗ですね。ピントの合った部分の質感との対比がたまりません。

 ちょっと硬質なものに焦点を当てつつ、ナチュラルなものを背景に置くパターンが合うのかも。




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 右下と左下の隅を見ると少し像が乱れているのですが、そういうことも気にならないほど、ピントのあった部分の像が際立ちます。

 開放であってもほとんどハロがありません。


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 由比ヶ浜の砂浜にバイクで通勤する漁師のおじさんがいるようです。



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 由比ヶ浜の砂浜に鎌倉大仏のチケットが落ちてました。もう少し寄って撮ることもできます。




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 つるっとした波の質感が綺麗です。



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by vivid_bit | 2013-05-18 12:34 | NOKTON50mm F1.5
ズミルックスと由比ヶ浜の夕暮れ
 Summilux 35mm F1.4 は、数あるレンズの中でも非常に特徴的な一本ですので、モノにするには骨が折れます。

 当ブログでも多くの写真を掲載してきたBiogon28mmF2.8 (Gマウント)とは対照的な写りで、とてもしっとりした甘い写りが特徴的です。このズミルックス35mmを片手に、ふと思い立って鎌倉 まで足を運んでみました。

 (フランスで撮影した作例 もぜひご覧下さい)

球面レンズの妖しい写り

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LeicaM9  + Summilux 35mm F1.4 2nd


 JR鎌倉駅のすぐ隣には江ノ電鎌倉駅があります。江ノ電に乗ってわずか5分で鎌倉大仏にもほど近い長谷駅に到着します。この長谷駅から徒歩5分ほどで由比ヶ浜に到着します。

 さてその写りを見てみるとソフトフォーカスかと思うほどですね。このとろける写りに憧れて購入したのですが、レンズの描写を生かすためには、こういう絵をとりたいという強い思想が無いと、逆にレンズに撮らされてしまうことになりそうです。まだまだ修行は続きます……。

 今回使用しているのはLeicaMマウント向けのズミルックス35mmの第2世代のレンズです。レンズ構成図を見るとよく分かるのですが、非球面レンズを採用した第3世代(1990年)以降と全く違う造りとなっていて、むしろ前身のズマロン35mmに似ているほどです。確かに写りもその傾向を感じます。

 そしてYashica/CONTAXマウント向けのディスタゴン35mmF1.4 と比較しても、体積は何分の一なんだろうかと思うほどコンパクトで旅先には気楽に持って行けるレンズですね。最短撮影距離は1mとかなり長く、近づいてボケを生かすというのは難しいのですが、こればかりは仕方ありません。




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LeicaM9 + Summilux 35mm F1.4 2nd

 この曖昧な描写がレトロなものを被写体にしたときにとてもマッチします。癖玉とも称されるレンズですが、これほどの個性を持つレンズはそう多くはありません。

 ちなみにこの道路は、国道134号線という神奈川でも屈指の渋滞ポイントなのですが、かつては湘南道路という有料道路でした。周辺はすでに市街地化しており、ここに有料道路があったとは想像も付きません。



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LeicaM9 + Summilux 35mm F1.4 2nd

 由比ヶ浜のネーミングライツが、鳩サブレーで有名な豊島屋さんに売却される見込みとの報道がされていますね。公募で名前を集めるとのことですが、このこと自体が注目を浴びることですし、なかなか上手い考え方ですね。

 鳩サブレーという商品自体は社会で広く認知されていて、これ以上知名度を上げることに、広告宣伝上の意味はあまり無いでしょう。それよりは、鎌倉と鳩サブレーのつながりの深さ、歴史への密接性を強調し、広く地元に支持されるブランドとして全国的に知名度を確立することの方が価値が高いと思いますね。


長谷駅周辺を散策する

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LeicaM9 + Summilux 35mm F1.4 2nd

 線路の先に……入口!?

 このお店は長谷駅近くにある「レストラン・ワタベ」という古民家フレンチのお店です。

 踏切も無い線路を越えてお店に入るなんて、新鮮な気分ですね。お店の評価も高く、雑誌でも取り上げられているお店ですね。サプライズなランチ・ディナーをしたいなら足を運んでみてはいかがでしょうか?


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LeicaM9 + Summilux 35mm F1.4 2nd 御霊神社

 鳥居のすぐ隣を江ノ電が走るという恐ろしいシチュエーションです(笑)





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LeicaM9 + Summilux 35mm F1.4 2nd


 長谷駅の周辺も雰囲気があって好きですね。駅の構内踏切を使ったのは久々です。

 開放F1.4で撮影したためふわっとした写りになっています。




ズミルックスを少し絞る

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LeicaM9 + Summilux 35mm F1.4 2nd


 ここからは七里ヶ浜へ移動。この場所はやたらと駐車場が広いのですが、先ほど取り上げた湘南道路の料金所の名残だからだそうです。道の駅がある訳でもないのに、なんでこんなに駐車場があるんだろうと思ったのですが、この事実を知って合点がいきました。

 さて、携帯がこれだけ普及したのに、ちゃんとしたカメラの持参率が上がっているように感じます。この旅でも多くのカメラ女子に出会いました。しかもしっかりした一眼レフを持っている人も多かったです。もっともっとカメラのことを活用して欲しいです。

 この2枚は少し絞っての撮影です。上はF2.8、下はF2.0だったと思いますが、F2.8のほどよくシャープな写りも魅力的ですし、F2のやはり幻想的でコントラスト低めの写りも少し絞ったときの写りも美しいです。まだまだ勉強不足のレンズですが、絞りによって変わる描写というものをしっかり表現に生かしていきたいですね。




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by vivid_bit | 2013-05-15 01:05 | Summilux 35mm F1.4
分岐点を探す旅 (M9片手に九州へ)
 LeicaM9を試しに使ってもよいとのお告げを頂き、これ幸いと九州へ。


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Leica M9 + Summilux 35mm F1.4 (2nd)

 夕暮れ時の雲の流れがダイナミックだ。路上にはすでに夜の空気が近づき、ヘッドライトの明るさが目に飛び込んでくる。







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Leica M9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 ASPHERICAL

 子どもの頃、新幹線に乗ることが多かった。

 早朝の東京駅から延々と新幹線に乗って博多までたどり着く。もう時間は午後の1時半だ。

 それからホームを変えて、熊本県南部にある人吉駅を目指して急行くまがわに乗り込む。ここから4時間以上の長い旅だ。

 人吉に着く頃には午後7時近い。だが、長い旅をした後に祖父と祖母に会える楽しみは格別であった。

 博多駅は旅の中間地点であり、都市から地方への分岐点という意識が心の中ではあった。

 ホームで鳴るジリジリというローカル色満点のあの響きこそ、分岐点の象徴だったように思う。

 博多駅に来たのは久しぶりだったが、現代JRを象徴する巨大な駅ビルに生まれ変わっていた。

 直線的なデザインが多用され、表示板は異様に明るく、都市の象徴とも言えるモダンな重厚感がある。

 だが残念ながら地方への分岐点という心のざわめきはそこには無かった。

 どこかで見たことのあるような光景。大宮駅、大阪駅、姫路駅、こんなあたりと雰囲気は変わらない。

 分岐点を探す旅。そんな気がした。









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Leica M9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 ASPHERICAL








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Leica M9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 ASPHERICAL

 現代的なデザインに生まれ変わった駅に現代的なMマウント対応レンズなので、ちっともライカらしくない絵である。

 でもCONTAXも愛する自分にはこういう絵が撮りたくなるシーンの方が多かったりする。

 やっぱり都会である。地方という感じがしてこない。





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Leica M9 + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical II

 特急みどりに乗り込み、まずは九州本線を進む。

 子どもの頃、特急かもめやみどりが博多駅を出発していくのを見て、うらやましいと思っていたのだが、
 それから随分たってしまった。人生初の長崎本線である。

 しばらく走ると、鳥栖駅が近づいてくる。

 鳥栖駅手前の貨物操車場は、九州の真ん中に攻め込んでいくのだとワクワクさせる場所だ。

 鳥栖は交通分岐点と子どもの時でも知っていたので、ここから長崎方向に入っていけるのかと思うと
 新鮮な興奮がある。

 M8では味わえなかった超広角の画角に、湿っぽい情景が合うようだ。









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Leica M9 + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical II

 人生初の長崎本線もあっという間に終わりである。

 所用で佐賀駅に立ち寄り、地元で人気のある定食屋「ゴッドマザーイマイ」に立ち寄る。

 なんとも県政関係者もよく使う場所なんだとか。

 ボリューム満点で色々な定食があり、すでに店は満員であった。

 マグロ串カツ定食を選んだが、予想以上にボリュームのあるマグロにしっかりしたコロモがついていて
 これがタルタルソースと絶妙に合う。他の定食と比べてオカズが少ないのかと思ったらそうでも無い。
 デザートが食べきれないほどであった。






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Leica M9 + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical II

 今度は「白いかもめ」885系列車に乗り込む。








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Leica M9 + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical II

 新鳥栖駅へ。

 新幹線改札に入る前に、一度改札を出て外を眺めてみる。

 何も無い。

 恐ろしいほど何も無い新幹線駅だ。

 だが、よく見ると道路は綺麗に整備され、まっすぐ延びた道路はがん治療専門の大型病院とつながっている。
 この病院には中国から治療しに来る患者もいる専門医療施設の整った病院だという。

 日本の里山を背景に新しい道が広がる光景には見覚えがあった。

 自宅周辺の港北ニュータウンだ。

 最初に道が開けたとき、まさにこういう眺めであった。

 地方へ踏み込む分岐点、そう思って着いた先は、過去の記憶の地だったのか。








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Leica M9 + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical II








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Leica M9 + Summilux 35mm F1.4 (2nd)

 新鳥栖から南を目指す。

 新鳥栖を出て、子気味の良い加速を見せつけてくれる九州新幹線。

 さすがは新幹線は違うと思うのもつかの間、あっという間に減速がはじまる。

 新久留米に到着。

 駅は新幹線型のホーム設計ではなく、本線と待避線が分離していない相対ホームだ。

 反対側に止まった博多行の列車もすぐそこに見える。

 考えてみれば幹線ではありえない光景な訳で、これはこれで新鮮だ。

 船小屋、大牟田、玉名とローカルな駅をつなぎつつ、熊本を目指す。

 それにしても速い。各駅に止まっていてもこの速さだ。

 急行くまがわでのあの長い旅路はなんだったのかと思う速さだ。







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Leica M9 + Summilux 35mm F1.4 (2nd)

 熊本も都会であった。

 熊本の中心地は駅周辺ではなく、熊本駅周辺は子どもながらにもちょっと残念な雰囲気があった。

 だが、今では駅の大規模な改修が進んでおり、モダンデザインの広場が駅前に広がっている。

 都市と地方の分岐点は、表面的に目に見える光景だけは決められないのだろう。

 モダンな駅前広場に入ってくる市電を見ながらそう感じていた。







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Leica M9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 ASPHERICAL



■こちらの記事もどうぞ!

ライカM8と駅の組み合わせでこのような記事もあります。
 → 最終日・東横線渋谷駅・そして人 http://kozalog.exblog.jp/18238743/

ライカM9とSummiluxの組み合わせでこのような記事もあります。
 → ズミルックスと由比ヶ浜の夕暮れ http://kozalog.exblog.jp/18764552/


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by vivid_bit | 2013-04-27 13:48 | Summilux 35mm F1.4


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