独特の提案力 それがDP2Merrillを使う理由
 シグマからのMerrillシリーズの後継となるdp Quattro(本シリーズより小文字のdpが正式名になったようです)が発売されました。実際に手に取ってみると、シャッターを押し込んでからタイムラグなくすぐ撮影でき、DP2 Merrillでは恐ろしいほど待たされた書き込み時間も、dp Quattroではとにかく速く、これはテンポ良く撮影できるマシンだなと感心しました。実際に撮っていないので肝心の絵作りについてはノーコメントですが、とにかく普通のマシンらしくなってきたなというのが直感的な印象です。

 一方でMerrillシリーズについては、これほど使い手を選ぶカメラは無いと感じています。マイナスの面もありますが、やはりプラスの面は唯一無二の部分が多く、特に使い込むほどに味が出る描写には毎度驚きがあります。

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SIGMA DP2 Merrill パリ ルーブル美術館

 写真とは元来撮影時に全てをコントロールしきれるものではなかったはずです。フィルムカメラを使われていた方にはよく分かると思うのですが、現像をして実際に上がってきたものを見て、大喜びしたり、驚いたり、がっかりしたり、反省したりというのを繰り返すことで、写真の面白さを学ぶことができたのです。今は今の写真の楽しみがあるのは事実ですが、一方で撮影時に予測できなかった絵作りの提案を与えてくれるカメラはそう多くありません。

 その点でDP Merrillシリーズは毎度想像を超える提案があり、こちらの成長さえも促してくれるような力さえあります。

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 パオロ・ヴェロネーゼ「カナの婚礼」

 陰の部分が緑がかったり、肌が土気色になったり、なんとも乱暴なところがあるのですが、お前がピンポイントで見せたい部分はこれなんだろ……という提案を逆に食らった感があります。確かに素直な描写ではありません。しかし左腕のピンクのウォッチと右腕の水色のリストバンドの色彩のコントラスト、そして日本人ではあまり見ないような、力強くこんがり焼けた腕のリアル感、大作「カナの婚礼」を取り囲み密集する人々とそのサングラスに映り込む鈍い照明光といい、何とも不思議な魅力のある描写ではないですか。

 ちなみにこの絵の反対側にはかの有名なモナリザが掲げられています。(この部屋がルーブル美術館の中で一番混んでいると言っても過言ではないでしょう)

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「サモトラケのニケ」( Victoire de Samothrace )

 そもそも最初にこのカメラに興味を持ったのは、東京・中野のフジヤカメラの店員さんからの「独特な空気感という意味ではDP2 Merrillが面白いですよ。Leica X2なんて目じゃないです。」という一言でした。解像度番長的な扱いを受けるMerrillシリーズですが、個人的には解像度云々というよりも、この独特の空気感とそれによって生み出される驚きの提案力に今も惚れ込んでいます。


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SIGMA DP2 Merrill パリ・モンマルトル 「メゾン・コリョン」( Maison Collignon / 映画「アメリ」のロケ地)

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パリ・モンマルトル ジュテームの壁

 デジタルカメラの寿命は短いと言われてきました。確かに非デジタル時代のライカのようなメカニカルなカメラと比べれば、メンテナンス可能な期間等を考えると寿命は短いかもしれません。しかし一方で、一般家電以上にある程度長期に渡って愛用できるデジタルカメラも増えてきたという印象がします。どんなシーンでも使える万能カメラだけでなく、少し独特な絵にチャレンジできるカメラを一台手元に置いておくのも面白いのではでしょうか。


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by vivid_bit | 2014-08-03 12:51 | DP2 Merrill
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