古くからカメラを持っている人の間では「カールツァイス」という言葉が、独特なブランド感を持っていることはご存知のことでしょう。そのツァイスと非常に密接な関係にあったマシンが、日本の京セラが産み出した一眼レフカメラCONTAXシリーズです。私も散々CONTAX G2 やCONTAX T3 の写真を取り上げていますが、やはり大本はこのシリーズと言うべきでしょう。 ちなみに、今になってCONTAX Aria の人気が再燃しているようです。このコンパクトに整ったデザインは「いかにもカメラらしい」という佇まいと、レトロなかわいさが両立していて実に見事だと思っています。私がこのカメラに手を出したのは、このデザインがあったからに他なりません(シャッター音だけは気にくわないのですが)。残念ながらCONTAX Ariaは、このミディピレネーの旅ではお休みしていたのですが、近くに軽くお出かけするにはとても良いカメラだと思います。 さて、今回の旅では、メイン機のEOS 5D MarkIIにアダプタを介して接続する形で、一眼レフCONTAX向けのカールツァイスレンズを持参しました。カールツァイスのブランドネームが振られたレンズは今も次々に発売されていますが、私が持っているのはマニュアル機だったCONTAXシリーズ向けのものなので、EOS 5Dに付けてもオートフォーカスは効きません。しかし、のんびりした街中で撮るのに、零コンマ何秒というキビキビとしたオートフォーカスは必要なく、むしろ街の雰囲気にはマッチしていたように思います。 今回取り上げるVario-Sonnar(バリオゾナー) T* 80-200mm F4という望遠レンズは、決して高価ではなく、むしろ私が持っているレンズの中で、1位、2位を争う安さでした(中古価格)。ところが到底そう思えないいい写りを見せてくれます。このレンズを持って、これまでご紹介しているフランス南西部の美しい街「サルラ」(サルラ=ラ=カネダ)を旅します。 ![]() 午前中のきりっとした光の中で、あたかもセットなのではないかというぐらいに整った写りを見せてくれます。コントラストもしっかりしていて、色の乗りも良く、最近発売されたレンズなのではないか……というぐらいに、とても現代的な写りをしてくれます。後で写真を見たときに、本当にこのレンズで撮ったんだっけと調べ直したぐらいです。 メニューはこの地方に典型的な並び方になってますすね。 ![]() この写真では多少距離を取っていますが、最短撮影距離が1mであり望遠200mm端ではマクロ的な撮影もできます。かなり模型チックなボケ方になり非常に面白い描写ですので、また別の機会にご紹介したいですね。 ![]() ![]() とても素直なボケを見せてくれる富士フイルムのXF35mmF1.4R とは違って、こちらはさすがにクラシカルなボケですね。ただこれはこれで味があっていいわけです。 ![]() 絞ると非常にシャープです。石造りの街並みにも似合う描写を見せてくれます。一昔のレンズであったことを忘れさせますね。さすがはカールツァイスです。 ![]() ![]() トンネル状になった通路の先に素敵なレストランが広がっています。サルラにはこのような場所がたくさんあって、どこを歩いていても切り取りたい空間に出くわします。 闇の向こうに広がる赤色が眩しく、ツァイスらしいしっかりした写りがたまりません。それでいて廉価版のAFズームレンズを使うよりずっと安いのですから、少し上を目指したい人にぜひお勧めしたいレンズです。 今まで旅先には望遠ズームレンズを持っていっていなかったのですが、このレンズによって改めて、旅先で撮れる幅の広がりというものを認識させられました。 まだこのレンズの作品は載せていきますので今後の更新をご期待下さい。
by vivid_bit
| 2013-10-25 20:12
| Vario-Sonnar80-200mm
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