分岐点を探す旅 (M9片手に九州へ)
 LeicaM9を試しに使ってもよいとのお告げを頂き、これ幸いと九州へ。


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Leica M9 + Summilux 35mm F1.4 (2nd)

 夕暮れ時の雲の流れがダイナミックだ。路上にはすでに夜の空気が近づき、ヘッドライトの明るさが目に飛び込んでくる。







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Leica M9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 ASPHERICAL

 子どもの頃、新幹線に乗ることが多かった。

 早朝の東京駅から延々と新幹線に乗って博多までたどり着く。もう時間は午後の1時半だ。

 それからホームを変えて、熊本県南部にある人吉駅を目指して急行くまがわに乗り込む。ここから4時間以上の長い旅だ。

 人吉に着く頃には午後7時近い。だが、長い旅をした後に祖父と祖母に会える楽しみは格別であった。

 博多駅は旅の中間地点であり、都市から地方への分岐点という意識が心の中ではあった。

 ホームで鳴るジリジリというローカル色満点のあの響きこそ、分岐点の象徴だったように思う。

 博多駅に来たのは久しぶりだったが、現代JRを象徴する巨大な駅ビルに生まれ変わっていた。

 直線的なデザインが多用され、表示板は異様に明るく、都市の象徴とも言えるモダンな重厚感がある。

 だが残念ながら地方への分岐点という心のざわめきはそこには無かった。

 どこかで見たことのあるような光景。大宮駅、大阪駅、姫路駅、こんなあたりと雰囲気は変わらない。

 分岐点を探す旅。そんな気がした。









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Leica M9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 ASPHERICAL








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Leica M9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 ASPHERICAL

 現代的なデザインに生まれ変わった駅に現代的なMマウント対応レンズなので、ちっともライカらしくない絵である。

 でもCONTAXも愛する自分にはこういう絵が撮りたくなるシーンの方が多かったりする。

 やっぱり都会である。地方という感じがしてこない。





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Leica M9 + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical II

 特急みどりに乗り込み、まずは九州本線を進む。

 子どもの頃、特急かもめやみどりが博多駅を出発していくのを見て、うらやましいと思っていたのだが、
 それから随分たってしまった。人生初の長崎本線である。

 しばらく走ると、鳥栖駅が近づいてくる。

 鳥栖駅手前の貨物操車場は、九州の真ん中に攻め込んでいくのだとワクワクさせる場所だ。

 鳥栖は交通分岐点と子どもの時でも知っていたので、ここから長崎方向に入っていけるのかと思うと
 新鮮な興奮がある。

 M8では味わえなかった超広角の画角に、湿っぽい情景が合うようだ。









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Leica M9 + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical II

 人生初の長崎本線もあっという間に終わりである。

 所用で佐賀駅に立ち寄り、地元で人気のある定食屋「ゴッドマザーイマイ」に立ち寄る。

 なんとも県政関係者もよく使う場所なんだとか。

 ボリューム満点で色々な定食があり、すでに店は満員であった。

 マグロ串カツ定食を選んだが、予想以上にボリュームのあるマグロにしっかりしたコロモがついていて
 これがタルタルソースと絶妙に合う。他の定食と比べてオカズが少ないのかと思ったらそうでも無い。
 デザートが食べきれないほどであった。






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Leica M9 + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical II

 今度は「白いかもめ」885系列車に乗り込む。








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Leica M9 + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical II

 新鳥栖駅へ。

 新幹線改札に入る前に、一度改札を出て外を眺めてみる。

 何も無い。

 恐ろしいほど何も無い新幹線駅だ。

 だが、よく見ると道路は綺麗に整備され、まっすぐ延びた道路はがん治療専門の大型病院とつながっている。
 この病院には中国から治療しに来る患者もいる専門医療施設の整った病院だという。

 日本の里山を背景に新しい道が広がる光景には見覚えがあった。

 自宅周辺の港北ニュータウンだ。

 最初に道が開けたとき、まさにこういう眺めであった。

 地方へ踏み込む分岐点、そう思って着いた先は、過去の記憶の地だったのか。








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Leica M9 + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical II








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Leica M9 + Summilux 35mm F1.4 (2nd)

 新鳥栖から南を目指す。

 新鳥栖を出て、子気味の良い加速を見せつけてくれる九州新幹線。

 さすがは新幹線は違うと思うのもつかの間、あっという間に減速がはじまる。

 新久留米に到着。

 駅は新幹線型のホーム設計ではなく、本線と待避線が分離していない相対ホームだ。

 反対側に止まった博多行の列車もすぐそこに見える。

 考えてみれば幹線ではありえない光景な訳で、これはこれで新鮮だ。

 船小屋、大牟田、玉名とローカルな駅をつなぎつつ、熊本を目指す。

 それにしても速い。各駅に止まっていてもこの速さだ。

 急行くまがわでのあの長い旅路はなんだったのかと思う速さだ。







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Leica M9 + Summilux 35mm F1.4 (2nd)

 熊本も都会であった。

 熊本の中心地は駅周辺ではなく、熊本駅周辺は子どもながらにもちょっと残念な雰囲気があった。

 だが、今では駅の大規模な改修が進んでおり、モダンデザインの広場が駅前に広がっている。

 都市と地方の分岐点は、表面的に目に見える光景だけは決められないのだろう。

 モダンな駅前広場に入ってくる市電を見ながらそう感じていた。







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Leica M9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 ASPHERICAL



■こちらの記事もどうぞ!

ライカM8と駅の組み合わせでこのような記事もあります。
 → 最終日・東横線渋谷駅・そして人 http://kozalog.exblog.jp/18238743/

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by vivid_bit | 2013-04-27 13:48 | Summilux 35mm F1.4
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