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姫路城グランドオープン・ブルーインパルスの舞
 姫路城にブルーインパルスがやってきました。

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EOS 5D Mark II + EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM 姫路城

 日本を代表する名城・姫路城は、平成の大修理と呼ばれる大天守保存修理事業が行われ、天守閣内部への見学ができない状態が続いていました。しかし、ついにこのほど修理を終え、真っ白な姿に生まれ変わったのです。

 姫路市民待望の姫路城グランドオープンを祝い、航空自衛隊・ブルーインパルスが姫路城の上を飛びます。

 今日はその祝賀飛行のテスト飛行が行われたのですが、これはほぼ本番と同等のもので、大変充実したものでした。その様子をご紹介しましょう。

 まずは単機による天候偵察が行われ後、演目がはじまります。

 5機が5方向に分かれて飛び立つサンライズという演目です。三の丸広場には多くの来場者が集まり、見事な演出に歓声が上がります。ちなみに三の丸広場には自衛官による解説と音楽が流されており、興奮がより一層高まります。


 6重の円で桜を形作ります。ただ画角は24mmでもかなり苦しい状況。超広角レンズがあると全部写るんですけどね。


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 雲の切れ間に青空が広がり、印象的な光景が広がりました。いよいよ明日は本番。どんな姿を見ることができるか楽しみです。




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by vivid_bit | 2015-03-25 21:47 | EF100-400mm F4.5-5.6
海外旅行気分で、大人ディズニーを楽しむ写真旅
 街を歩いていて、パリの街角みたいなカフェや、スペインの街中にあるようなバルを目にする機会が増えました。その度に「お、海外に来ているみたいだな」と思う訳ですが、その店舗だけで「海外」は終わってしまいます。

 しかし、関東に住んでいる方であれば、もっと海外っぽい雰囲気を、ある程度の広さをもって味わえる一番の場所がありますよね。

 そう……東京ディズニーリゾートです。


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EOS 5D Mark II + EF135mm F2L USM  東京ディズニーシー メディテレーニアンハーバー

 ディズニーランドよりもディズニーシーの方が、現実の街そのものが作り込まれている部分が多いので、旅行気分が増してきます。こういう景色を見ていると、イタリアの地中海沿岸に来た気持ちになりませんか? 建物の窓枠、テラス、天井の屋根、煙突など、どこを見ても実際のイタリアの建物のようです。


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LeicaM9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Aspherical ホテル・ミラコスタ

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LeicaM9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Aspherical イル・ポスティーノステーショナリー


 ディズニーシーのメディテレーニアンハーバーは、イタリアのポルトフィーノ、チンクエ・テッレなどの実際の街をモデルにしたと言われています。街の造り自体がとても精巧に出来ているのはもちろんですが、郵便局を模した建物のちょっとした小物や、海岸沿いの街灯も、どれもが本物のような雰囲気に満ちていて、スナップ写真を撮るのが楽しくなります。

 Nokton 50mm F1.5(1世代前)は、ライカMマウント向けレンズながら開放からシャープな絵を写し出す一本ですが、光源周辺に軽くハロが出るので、これが逆に良い味を出してくれています。このレンズはまだ現代的な部類のレンズですが、もっと極端な描写をするオールドレンズを使って、ディズニーシーで写真旅なんてどうでしょうか。とても面白い写真が撮れそうですよね。



アメリカンウォーターフロントへ


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LeicaM9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Aspherical ディズニーシー・エレクトリックレールウェイ

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EOS 5D Mark II + EF135mm F2L USM  ハーモニカガーデンズ・アウトドア・ダイニング

 個人的にとても好きなエリアが、20世紀初頭のニューヨークを模したアメリカンウォーターフロントの一角です。頭上を高架鉄道が走り、きらびやかな照明が街を彩る様子は、ヨーロッパとは違う新しいクラシックを感じさせてくれます。看板だけを見ていても、古きアメリカに来たかのような雰囲気を楽しめますね。

 このエリアは日没から少し経ってから撮影するのがおすすめです。看板と建物の陰影を撮るだけで、あたかも移民に溢れて喧噪渦巻くニューヨークのあの時代がそのまま写っているかのように撮影できます。


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EOS 5D Mark II + EF135mm F2L USM  ブロードウェイ・ミュージックシアター

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EOS 5D Mark II + EF135mm F2L USM   マクダックス・デパートメントストア前


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LeicaM9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Aspherical マクダックス・デパートメントストア

 マクダックス・デパートメントストアは、ドナルドダックの伯父の世界一金持ちのアヒル、スクルージ・マクダックが経営する百貨店という設定です。世界初の近代百貨店と言われる「ボン・マルシェ」がパリで創業されたのは1852年。アメリカ・ニューヨークでは南北戦争終結(1865年)後に百貨店の出店ラッシュがあり、ブロードウェイ近くに数多くの華やかな百貨店が建てられました。スクルージ・マクダックが最初に財産を得たのは1897年のゴールドラッシュで、その後にこの百貨店ができたということなので、既にある有名百貨店たちに殴り込みをかけた様子がうかがえます(笑)

 看板や建物の一部だけをシンプルに撮影すると、本当にアメリカに来たかのような一枚になります。加えて、バックグラウンドストーリーを感じながらのスナップ撮影は、本当に旅をしているかのような気分を味わえますね。



レストラン櫻に見る移民達の暮らし


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LeicaM9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Aspherical アメリカンウォーターフロント レストラン櫻

 アメリカンウォーターフロントの一角に日本料理のレストランがあります。日本人移民のチャーリー田中が開いたというレストラン櫻です。19世紀から20世紀初頭にかけてのニューヨークは移民の時代でもあり、華やかなブロードウェイとは対照的に、移民達の厳しい生活がそこにはありました。ゴッドファーザーPartIIで、イタリア人移民達が必死に生き残ろうとしていた時代がまさにそうですね。

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LeicaM9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Aspherical アメリカンウォーターフロント レストラン櫻

 レストラン櫻は、チャーリー田中が日本人移民の集会所のようになっていた魚市場「リバティフィッシュマーケット」を手に入れ、1905年に日本食レストランにしたというバックグラウンドストーリーがあり、あちこちに漁業・水産業関係の道具、設備が残されています。

 アメリカ本土で最も古い日本食レストランとされるのは、日本人漁民の茂田濱之助が1885年にロサンゼルスに開いた「カメレストラン」です。その後、このレストランの開店を契機として日本人街「リトルトーキョー」が形成されたという歴史があるそうです。日本人の集まる場所、そして漁業関係者という点でレストラン櫻のストーリーとも符合するような話で、なかなか興味深いところです。


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LeicaM9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Aspherical アメリカンウォーターフロント レストラン櫻

 レストランに描かれた歴史ある雰囲気とは裏腹に、実際の移民の暮らしは大変貧しかったことも忘れてはなりません。

 日本でも明治維新後の都市部は衛生状態が悪く、下層民の暮らす地域ほど大規模伝染病が蔓延していたと言います。浅草区田中町では人口1,044人に対して、結核等の肺炎系の病因やコレラ等の腸炎系の病因等の諸死因を合わせると、1年で229人の病死者(1921年)が出ていたとされ(石塚裕道著「東京の都市スラムと公衆衛生問題」より)、地方からの人口の大量流入と、都市スラムでの大量死が繰り返されていました。同じように、最底辺の暮らしを強いられたニューヨーク移民達は、生き残ることさえ厳しい環境だったことでしょう。

 懸命に生き抜いた結果がこのレストランなのだと思うと非常に感慨深いですよね。

 そう簡単に旅に出ることができないときでも、海外旅行気分で写真を撮りに出かけてみるのもなかなか楽しいものです。歴史の裏側を感じながら、大人なディズニーの旅に出かけてみてはどうでしょうか。



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by vivid_bit | 2014-07-21 17:50 | EF135mm F2L USM
スイスの車窓から3(ユングフラウ鉄道を旅する)
 前回の記事(スイスの車窓から2(ヴェンゲルンアルプ鉄道を旅する))の続きです。スイス中部にあるオーバーラント三山を見渡せる峠の駅、クライネ・シャイデックで昼食を取り、いよいよヨーロッパ最高地点の駅を目指します。

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EOS 5D MarkII + EF24-70mm F2.8 L USM ユングフラウ鉄道 クライネ・シャイデック駅付近

 クライネ・シャイデック駅から、名峰ユングフラウの中腹に造られたユングフラウヨッホ駅まで、ユングフラウ鉄道という登山鉄道が伸びています。この鉄道はおよそ9キロの距離しかないのですが、標高約2000メートルの地点から、約3500メートルの地点まで登ってしまいます。日本で普通に登山の対象となるような山の上から、一気に富士山の山頂近くまで登ってしまうわけですから、とんでもない登山鉄道だということがお分かり頂けるかと思います。

 ユングフラウヨッホ駅が完成し、全線が開通したのは1912年8月のこと。この写真を撮影したのは、まさにその100年後の2012年8月のことでした。

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クライネ・シャイデック駅

 時計メーカーのティソ(TISSOT)が全線開通100周年の公式スポンサーだそうです。100周年記念ウォッチが描かれているラッピング車両もクライネ・シャイデック駅で見ることができました。鉄道の○○年記念イベントを鉄道会社以外の会社が抱え持つというのは、日本ではあまり見られない光景ですね。

 ティソはスウォッチグループの傘下にあるブランドです。国際的な企業だからこそできるマーティング手法とも言えます。


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クライネ・シャイデック駅(ヴェンゲルアルプ鉄道車両)

 スイスの鉄道駅では、有名な時計メーカーや宝飾品メーカーが看板を設置していることが多く、日本の鉄道駅とはかなり違った趣きでした。さすが世界から観光客を集める登山鉄道は雰囲気が違います。そしてオシャレです。

 このクライネ・シャイデック駅から更なる列車の旅がはじまります。


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クライネ・シャイデック駅

 車両の中は混み合っており、席を探し出すのもやっという状況です。出入口近くに補助席を見つけることができました。

 駅のホームは右に大きくカーブを取っており、平地が極めて限られている場所であることを物語っています。アイガー北壁初登頂を目指したクライマー達も宿泊したという歴史あるホテルの前を通り、間近にそびえ立つユングフラウを目指します。


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 穏やかな斜面を列車は進んでいきます。線路のすぐ脇を牛たちが休んでいます。絶景を目の前にしたのんびりした光景は、なんとも気持ちの良いものです。乗客の皆さんもカメラ片手に興奮している様子ですね。


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 ということでお気に入りの牛写真を一枚(笑) さすがに車窓ではなく、クライネ・シャイデック駅で下車したときの一枚です。唐突にスイマセン。


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 線路の脇にはハイキングコースが見えます。断崖絶壁の山へ向けて進んでいく方も多いです。ユングフラウヨッホからの帰りに、クライネ・シャイデック駅の一つ手前のアイガーグレッチャー駅で下車し、クライネ・シャイデック駅まで徒歩でハイキングを楽しむのもおすすめです。このコースはユングフラウ鉄道全線開通100周年を記念して「アイガー・ウォーク」という名前で整備されています。


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クライネ・シャイデック駅~アイガーグレッチャー駅間

 オーバーラント三山の前に広がる谷はラウターブルンネンのある谷につながり、その谷の向こう側には小さな村・ミューレンが見えます。足下には美しい花が咲き、遠近感のある広がりのある眺めに、どこからでも写真を撮りたくなることでしょう。鉄道と絡めても良し。山だけ切り取っても良し。花を中心に撮影しても良し。なんでもありのハイキングコースですね。

 クライネ・シャイデック駅とアイガーグレッチャー駅の間には、スキーシーズンの人工雪のために造られたダム湖・ファルボーデン湖(ファルボーデンゼー / Fallbodensee)があり、逆さアイガーを撮影することができます。車窓からはいいアングルで撮れませんので、ここはハイキングしながら楽しんでみてはいかがでしょうか。



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アイガーグレッチャー駅

 ユングフラウ鉄道の後半はほとんどがトンネルの中です。のぞき窓のある場所に駅があるだけなので、車窓はほとんど楽しめません。トンネルの入口にあるのがこのアイガーグレッチャー駅です。

 アイガーグレッチャー駅にはレストランがあり、駅の名前の由来であるアイガー氷河を眺めることができます。駅にはユングフラウ鉄道が経営する宿泊施設(ゲストハウス)もオープンしているそうです。鉄道職員のための寮だったものを改造したものだそうで、中はなかなか無骨なようですが、それはそれで興味深いですね。職員の方がご飯を食べに来ることもあるそうです。


 列車はいよいよトンネルに入ります。

 長い長いトンネルの中で、熟睡しているうちに聞き覚えのある声が……。

 「アルプスの少女 ハイジ」のハイジの声です。もちろん日本語です。車両の中にはモニタが多数設置されており、日本の通勤電車よりも多いのではないかと思うほどの密度です。その画面には見覚えのあるハイジの姿が映っているではありませんか!

 「まもなく終点です」という日本語の声が、ほとんどヨーロッパ系の人しか乗っていない車両に鳴り響いています。日本人なら笑ってしまう光景です。

 実はこれ、ユングフラウ鉄道全線開通100周年を記念し、2011年から2012年末までの期間限定ということで、行われていたキャンペーンだったそうです。
 

 アニメーションの絵を使ったキャンペーンは終わってしまったようですが、通常版の日本語アナウンスに今も使われている説がありますので要注意です(笑)

 そしてハイジも言うように終着点に到着します。


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ユングフラウヨッホ駅

 ユングフラウの山の中、ヨーロッパ最高地点の駅(3,454メートル)であるユングフラウヨッホ駅に到着します。岩盤を掘り抜いた荒々しい壁がただの地下駅でないことを教えてくれます。そして、岩からしみ出すようなひんやりとした空気が緊張感を高めます。

 近年は列車の本数が増え、こちらのホームとは別にもう1面1線のホームが増設されている忙しい駅でもあるようです。往来する人をかき分けながら案内板に従って進みます。

 この駅には大型のエレベーターが設置されており、一気に展望台まで登れます。

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ユングフラウヨッホ展望台・アレッチ氷河


 展望台から足を踏み出すと、そこは厳寒の世界が広がっています。真夏であるにも関わらず、冷たい風が顔を突き刺します。しかしその向こうには、ヨーロッパにいるとは思えない巨大な氷河が広がっていたのです。

 アレッチ氷河は世界自然遺産にも指定されているヨーロッパ最長(約23キロ)の氷河です。真っ白な氷雪と黒々とした岩山のコントラストは見る者を圧倒します。夏らしい、質感のある雲との組み合わせが何ともファンタジックな印象がしてきます。ヨーロッパの真ん中にこんなに豊かな自然が広がっていることに驚いてしまいます。

 100年前に大変な努力をして鉄道を切り開いたのは、この美しい光景を多くの人に見せたいと思う人が大勢いたからだと思います。その想いを裏切らない光景が広がっていました。



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by vivid_bit | 2014-07-13 12:56 | EF24-70mm L USM
スイスの車窓から2(ヴェンゲルンアルプ鉄道を旅する)
 スイスを巡る観光ツアーの大半で、必ずといっても入っている場所があります。一つはマッターホルンの周辺で、これは前回(ゴルナグラート鉄道を旅する)及び以前(スイス・マッターホルンへの鉄路とモノトーン旅行記)の記事でご紹介したエリアになります。

 もう一つは今回ご紹介するアイガー、メンヒ、ユングフラウのあるオーバーラント三山の周辺のエリアです。特にユングフラウの山腹にありヨーロッパ最高地点にある駅・ユングフラウヨッホ駅を目指すことが多いようですね。日本の観光ツアーのみならず、世界中の観光客を集めているこのエリアの魅力をEOS 5D MarkIIと共にお伝えします。

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EOS 5D MarkII + EF24-70mm F2.8 L USM ユングフラウ鉄道 クライネ・シャイデック駅付近


ヴェンゲルンアルプ鉄道を行く

 旅は、72の滝を有するとされる谷底の街、ラウターブルンネン( Lauterbrunnen )から始まります。スイス中部の高原地帯、ベルナー・オーバーラント地方の山岳観光において入口ともいえる場所にあるこの街からは、ヴェンゲルンアルプ鉄道( Wengernalpbahn )が伸びており、山の中腹にあるリゾート地ヴェンゲン( Wengen )を経由して、峠の駅クライネ・シャイデック( Kleine Scheidegg )にたどり着きます。ついでに言うと、鉄道自体は、峠の向こうの東側にある観光拠点・グリンデルワルトにもつながっているのですが、運用上はクライネ・シャイデックで分断されており、全線通しの運転はされていません。

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ラウターブルンネン駅

 ラウターブルンネン駅から山々を見上げると、あんな高いところまで本当に登ることができるのかと思ってしまうほどです。まして、こんなに厳しい地形を100年以上も前から鉄道が乗り越えていたことに驚きを感じざるを得ません。

 思いを馳せるうちに、鉄骨とガラスを使った簡素ながらも現代的な駅舎に小さな列車が入線します。日本では見たことが無いくらいに座席が小さくて窮屈な車両ですが、旅の雰囲気は満点ですね。さぁ、いよいよ出発です。


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ヴェンゲン駅

 緩やかな坂を右に左にとカーブしながら登っていき、ラウターブルンネンの街を下に見ながらU字谷の壁面を列車は登っていきます。斜面を登り切ったところにある街が、リゾート地でもあるヴェンゲンです。

 ゴルナーグラート鉄道もそうなのですが、スイスの鉄道はパターンダイヤをきっちりと守りつつ、乗客が車両からあふれるような時は、臨時列車を続行運転させる形を取っています。今回、アジア系の団体旅行客を乗せた専用列車(この写真に写っている列車)が先行し、私の乗った列車はそれに続く形で進んでいます。乗降客の多いヴェンゲン駅では先行列車が停車していたところに後続列車である我々の列車が追いつきました。ヴェンゲンで降車した人たちが先行列車の出発を待っています。


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 急峻なアルプスの山並みが行く手を遮るかのようにそびえ立っていますが、列車はそのままのスピードで山を登っていきます。自然いっぱいの光景に脇見するのも惜しいほどです。

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 途中、小さな駅舎しかないヴェンゲルナルプ駅を通りますが、駅舎の裏にはしっかりしたレストランがあるというから驚きます。観光大国としてのレベルの高さを痛感しますね。

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ヴェンゲルナルプ駅~クライネ・シャイデック駅間

 急な斜面に広がる放牧地を抜け、山の木々が無くなると、目の前に荒々しく巨大な山塊が目に飛び込んできました。アイガー、メンヒ、ユングフラウの三山です。その巨大な岩の壁からは、車窓越しであっても圧迫感を覚えるような迫力があります。地球の質量が可視化されたかのようなインパクトです。この瞬間こそが、この鉄道最大の見せ場と言えます。ということで登りの場合は進行方向右側の座席がおすすめです。

 この大パノラマが見えると、いよいよ峠の駅、クライネ・シャイデックに到着です。

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クライネ・シャイデック駅


クライネ・シャイデックで途中下車


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クライネ・シャイデック駅付近

 クライネ・シャイデックは、ラウターブルンネンから登ってきた列車と、グリンデルワルトから登ってきた列車が合流し、ユングフラウ鉄道に乗り換えてさらにユングフラウを目指す地点にある駅です。したがって3方向に線路が伸びている形になります。標高は約2100メートル。ラウターブルンネンからは45分をかけて1200メートル以上登ってきた計算になります。

 駅以外には雰囲気のある山岳ホテルとレストランが建っているだけで、街といえるようなものはありません。しかし駅やその周辺からは絶景を楽しむことができ、ただ登山電車の乗り換えだけに使うにはもったいないほどの場所です。このホテルもアイガーを目指すクライマーにとって、出発点ともなる場所なのだそうです。

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 駅周辺にはハイキングコースがあり、穏やかな景色を楽しみながらのハイキングが楽しめます。複数のルートがあり、いずれも眺めは抜群です。これほどに素晴らしいハイキングコースもなかなか無いように思えます。

 ユングフラウ方面に向かう道の途中には柵があり、観光客が通る旅は毎回毎回開閉が必要になります。なんだろうと思ったのですが、傍らの草むらを見てその理由がよく分かりました。牛が線路に入ってしまうからです。


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 牛がこんな近くにいるなんて、驚きの光景ですよね。カウベルを鳴らしながらお食事を楽しんでいました。

 クライネ・シャイデックの駅周辺では、このようなのどかなアルプスの光景も楽しむことができるわけです。



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レストラン アイガーノルドバンド

 クライネ・シャイデックの駅のすぐそば、三山を望む一番の場所にレストラン・アイガーノルドバンド( Restaurant Eigernordwand )があります。ノルドバンドとは北壁の意。外にはテラス席からアイガーの切り立った岩壁を見ることができます。地場のチーズを使った料理とアルプスの巨大な山々を肴に飲むビールは、本当に生きていて良かったと思う味わいでした!(笑)

 次回はクライネ・シャイデックからユングフラウ鉄道でユングフラウヨッホを目指します。

つづき



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by vivid_bit | 2014-07-06 19:32 | EF24-70mm L USM
スイスの車窓から(ゴルナーグラート鉄道を旅する)
 普段、鉄道旅行をする機会の無い人であっても、ヨーロッパの旅先での列車の旅には、少なからず関心を持つのではないでしょうか。

 至る所に絶景があり、その間を縫って走るスイスの鉄道であるなら尚更強い興味を持つことでしょう。そんなスイスでの車窓からの景色をご紹介したいと思います。

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EOS 5D MarkII + EF24-70mm F2.8 L USM ゴルナーグラート鉄道 リッフェルボーデン・リッフェルベルク駅間

 マッターホルンにほど近く、多くのホテルが存在するツェルマット( Zermatt )の街からゴルナーグラート鉄道は出発します。ゴルナーグラート鉄道( Gornergratbahn / GGB)は、通常の鉄道レールに加えて歯形のレールをもう一本加えたアプト式のレールを持ち、最大勾配200‰(パーミル)という急傾斜を駆け上がる登山鉄道です。箱根登山鉄道が最大勾配80‰であることからしても、かなりの急勾配を登っていくことが分かります。

 出発点のツェルマットは、マッターホルン観光の出発地点として多くのホテルや別荘が集まる観光拠点です。しかし花に充たされたその街並みを見ていると、スイスに来たことを実感させられます。その街から列車はゆっくりと出発していきます。

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 所々で山を下ってくる列車とすれ違いながら、右へ左へとカーブを繰り返し、列車は進んでいきます。こんな山の中にある路線でありながらも、かなり多くの区間が複線化されており、列車の待ち合わせによる時間のロスはそれほど大きくありません。

 先ほどまで同じ目線の高さで見えていたツェルマットの街並みは、あっという間に遠い足下に点在するばかりとなり、その上方には街を覆い被さるかのようなU字谷が広がっています。この動きのある眺めこそ、スイスの車窓の楽しみと言えるでしょう。恐ろしい勢いで列車は坂を登り、最後はマッターホルンを目の前まで進んでいきます。

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 アプト式の利を生かして列車は急速に高度を上げ、森林限界を超えたところでアルプスの山塊が見えてきます。そして線路が東に曲がり、開けた谷間の向こうにマッターホルンと素晴らしい絶景が広がっています。(最初の写真です)


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 展望台が置かれてもおかしくないような素晴らしい景色の中を、列車は進んでいきます。誰もが心を奪われるような眺めであり、決して飽きることはありません。近くに見えるのどかな風景も、日本の鉄道では決して味うことができません。


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ゴルナーグラート鉄道 リッフェルベルク駅前

 駅から降りてもこのようにのどかな光景が広がっています。駅前を羊が横切っていく国なんてなかなかありませんよね。このように、鉄道で移動することが、単なる移動手段に終わることなく、宿に着くまでの楽しみを演出してくれるのです。他の地域ではなかなか味わえないものと言えるでしょう。


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 ゴルナーグラート鉄道の一部の列車には、車両の一部に広い窓を設置し、眺めを楽しめるようになっているものがあります。上の写真をよく見ると、手前の人たちのいる座席と奥の座席で段差があるのが分かりますが、手前の座席は窓が大きくなっているのがよく分かると思います。山を登る際には進行方向右側が谷側となり、マッターホルンを見ることができます。こちらに皆さんが座りたがるようですね。(この写真では写真奥側が麓のツェルマット、手前側がゴルナーグラートです)

 ゴルナーグラート鉄道は、100年以上前に開通した歴史ある登山鉄道です。山並みに沿って登っていくこの鉄道は、途中に5つの途中駅を持ち、終着点ゴルナーグラート駅にたどりつきます。ゴルナーグラート駅は巨大なマッターホルンとゴルナー氷河を目の前に見ることができる高所にあり、標高は3000mを超えているというから驚きます。駅舎はそのまま展望台の施設及びホテルと一体化しています。

 途中駅からもトレッキングのコースが幾筋も設けられており、有名な「逆さマッターホルン」を狙える場所もこのトレッキングコース沿いにあります。途中駅で降りて、途中駅で乗って、そのまま麓に帰るというルートも観光的には一般的です。

 以前のブログでもご紹介したように、ゴルナーグラート鉄道と途中駅から眺めたマッターホルンの眺めは忘れ得ぬものでした。スイスの鉄道の旅は、ご年配の方が好む印象がありますが、決して若い人が楽しめないということではありません。音の無い世界で眺める神秘の景色は誰もが楽しめるものだと強く確信しています。海外旅行のご検討の際にはぜひおすすめしたい場所ですね。

 次回は、名峰ユングフラウに登るスイスの鉄道から、素晴らしい車窓をお伝えします。



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by vivid_bit | 2014-06-29 22:29 | EF24-70mm L USM
六本木・東京ミッドタウンの桜を、EF135mmF2Lで撮る
 桜の写真 は実に難しいですね。多くの人が考える頭の中のイメージとは違って、実際の桜の色は案外淡く、ほとんど白色に近いものです。花の大きさも、数ある花の中でも小さい部類ですから、何となく道端から撮ってみると、驚くほどつまらない写真ができあがります。いざどう撮ってみるか、何と組み合わせて撮るのがいいのか、相当頭を悩ませる存在です。

 望遠で桜を撮るというのも一つの手でしょう。ということでキヤノンを代表する望遠単焦点レンズ、EF135mm F2L USMで六本木の桜を撮ってみました。


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EOS 5D Mark II + EF135mm F2L USM  東京・檜町公園

 桜の持つ妖艶な雰囲気をふんわりと写し出しつつ、花びらから枝まで解剖写真のように細かいところも描写してくれます。ボケもとても大きく素直です。

 ブログ上ではEOS 5D MarkIIの出番がやや少ないのですが、EF24-70mmF2.8 L USMとこのEF135mmL USMがあれば、結婚式でも、近場の旅行でも、イベントの撮影でも大概なんとかなります。85mmF1.8や50mmF1.4よりも圧倒的に出番が多い一本です。ボケがとにかく美しく、絞り開放でも安定した描写を見せてくれます。

 檜町公園は、六本木ミッドタウンに隣接した港区立の公園ですが、防衛庁の市ヶ谷移転とミッドタウンの再開発に合わせて一体整備されています。そのためミッドタウンとシームレスにつながっていて、互いの境界を感じることなく周遊することができます。この写真は檜町公園の中心にある池を取り巻く周遊路のそばで撮影したものです。



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EOS 5D Mark II + EF135mm F2L USM  ストロボ発光 東京・檜町公園

 朝は水蒸気やホコリが少なく、青空が澄んでいます。また太陽光が低い高度で当たり、花の陰が目立ちにくい朝は桜を撮影するのに絶好の時間帯です。歓迎会の多いこの時期ではありますが、仕事へ行く前のちょっとした時間を使って撮影するのも楽しいものです。

 この写真では加えてストロボの光を加えています。どうしても桜を撮ると太陽光の当たっている部分と日陰の部分のコントラストが付きすぎて、どぎつい写真になりがちです。そのイメージを緩和するために、全体に光を回して、バランスを整えています。




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EOS 5D Mark II + EF135mm F2L USM  ストロボ発光 東京・檜町公園

 建物を背景にすると、青空を背景にする場合よりも暗くでき、花びらの白さが引き立ちます。背景にしているのは東京ミッドタウンの建物でして、二枚目の写真を見るとお分かりの通り縦に伸びた構造体がボケて映り込んでいます。一枚目の写真に上下方向に流れるようなボケが映り込んでいるのはこのせいです。


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EOS 5D Mark II + EF135mm F2L USM  F2.2 ストロボ発光 東京・檜町公園


 つぼみからまさに開こうとしている桜を捉えます。かなりの高さにある桜の姿も135mmならこの通り。そして少しだけ絞ってF2.2にすると、よりシャープになります。



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EOS 5D Mark II + EF135mm F2L USM  ストロボ発光 東京・檜町公園

 望遠を使うときは背後をどう置くか頭を使わなければなりません。中心に雲、周辺に青空の広がる角度を見つけて撮影します。また背景の空と花びらの裏側の輝度差を圧縮するためにストロボを当ててます。

 桜の撮影と単焦点レンズの相性が良いかは悩ましいところです。桜を撮るときは足場が固定されてしまうことが多く、単焦点だとどうにも中途半端な絵になることもありえます。ボケさせすぎると何を撮っているのかわかりにくくなることもありますし、結局少し絞って撮るのならズームレンズの方が打率が高いということもありえますね。


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EOS 5D Mark II + EF24-70mmL USM  東京・六本木ヒルズ・毛利庭園

 ここからは六本木ヒルズに移動して、24-70mmで撮影してみました。ズームでこれだけ美しい描写を見せてくれるなら文句ないです。135mmと比べて背景との分離が難しくなりますが、六本木ヒルズ森タワーを背景にし、そのビルの特徴を見せつつ若葉を輝かせるという演出のためには、このぐらいの画角が良さそうです。

 毛利庭園は名前の通り、毛利家の大名屋敷がこの地にあったことに由来するわけですが、奇しくも六本木のライバルであるミッドタウンも、毛利家の屋敷跡がルーツとなる土地です。そして檜町公園はその大名屋敷にある庭園が元でした。時空を超えて毛利家の二つの大名庭園を散策しているというのもなかなか面白い点ですね。

 檜町公園と毛利庭園は、徒歩で20分程度の距離がありますが、港区のコミュニティバス「ちいばす」を使えば10分もかからずに到着します。20分に1本という頻度で走っており、六本木ヒルズ森タワーの真下に到着するという利便性の良さですので、ぜひ使ってみてはいかがでしょうか。




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EOS 5D Mark II + EF135mm F2L USM  F7.1 東京・六本木ヒルズ

 最後は135mmに戻っての一枚。六本木ヒルズのルイ・ヴィトン前の桜です。六本木ヒルズの広場へのエントランス部分にあり、多くの人がカメラを向けていました。

 歴史ある桜は枝振りもよく大変風流なのですが、大都会の真ん中に咲く桜の姿も美しいものがあります。絞ってF7.1で撮ると、これが同じレンズなのかと思うほど大変緻密な絵になります。EF135mm恐るべしですね。



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by vivid_bit | 2014-04-06 00:14 | EF135mm F2L USM
ツァイスレンズで、フランス・サルラの街を切り取る(その2)
 前回の記事の続きです。バリオゾナー80-200mmを持ち出して、フランス南西部アキテーヌ地域圏の街・サルラ(サルラ=ラ=カネダ)を旅します。

(フランス・サルラの写真を全6回に渡って特集しています。→ サルラ  )

 フランスには、フランスの歴史的・文化的の文化財を保護し、不動産の修繕を促進する通称・マルロー法という法律が1962年に制定されており、旧市街地の保護、修復、利用を促進する役割を果たしました。このマルロー法の適用第一号となったのがこの街・サルラだったのです。

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Canon EOS 5D MarkII + Carl Zeiss Vario-Sonnar T* 80-200mm F4 (MM) フランス・サルラ Sarlat-la-Caneda (以下全て同じ)






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 日本で言うところの鎌倉時代の頃から教会の司教区に属し、戦乱をくぐり抜けながら発展してきた街ですが、フランス革命によって司教区が廃止されてからは、この街の独自性も薄れ、歴史の波からは取り残されていったそうです。

 逆に今では古い街並みと伝統の食文化が残っていたことで、新たな魅力が発見され、観光で大いに栄えることとなったというのは皮肉なものです。


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 この地域は第1次大戦時も、第2次大戦時も戦線からは遠く、そのままの街並みが綺麗に残っています。もしスペインが枢軸国に加わっていたら、スペインに上陸した連合軍がフランス方面へ押し寄せ、この地域も戦火に巻き込まれたかもしれません。逆にスペインが連合国に加わっていたら、ドイツ軍と連合国との間でフランス南西部で激戦が展開されていたことでしょう。

 こうした街並みを見ること一つを取ってみるだけで、歴史というものの大きさを感じます。


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 フランス南西部の町をいくつか回りましたが、どの街に行ってもピザ屋が繁盛しています。特にこの店はホテルのオーナーからもお薦めされた店でして、この街では一番のピザ屋なのかもしれません。
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 ただの路地すらも美しく、何時間歩いても飽きません。狭い路地が延々と続く町ですが、写真を撮るには最高のシチュエーションです。旧市街地は車の進入ができないため、お店は堂々とテーブルを出し、歩行者は車を気にせず、街中を歩き回れます。

 パリで写真を撮ろうとすると、通りが大きすぎて車が目立ち、あまり面白い写真は撮れませんでした。逆にサルラは人が歩くのに絶妙な路地の広さで、ナトリウムランプで照らされた夜の路地も実に絵になります。


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 このポスターは何なんだろうと今更ながら思い返し、調べて見ると、"Sarlat vue du CIEL"とは「空からサルラ」という意味で、聖マリア教会の屋上まで360度シースルーのエレベーター方式で上がり、そこから眺めを楽しむ施設だったようです。下からはただの教会にしか見えないので、こんな設備があるとは知りませんでした。

 このサルラでは小売店でもしっかりお昼休みを取ります。12時から14時までは土産物店も閉まってしまうので、この従業員の方も長いお昼を楽しんでいるのかもしれませんね。

 今回ブログで取り上げているのはまだ一都市(サルラ)だけでして、まだまだ大量の写真があります。今後も掲載していくのでぜひご期待下さい。

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by vivid_bit | 2013-10-27 13:05 | Vario-Sonnar80-200mm
ツァイスレンズで、フランス・サルラの街を切り取る
 古くからカメラを持っている人の間では「カールツァイス」という言葉が、独特なブランド感を持っていることはご存知のことでしょう。そのツァイスと非常に密接な関係にあったマシンが、日本の京セラが産み出した一眼レフカメラCONTAXシリーズです。私も散々CONTAX G2CONTAX T3 の写真を取り上げていますが、やはり大本はこのシリーズと言うべきでしょう。

 ちなみに、今になってCONTAX Aria の人気が再燃しているようです。このコンパクトに整ったデザインは「いかにもカメラらしい」という佇まいと、レトロなかわいさが両立していて実に見事だと思っています。私がこのカメラに手を出したのは、このデザインがあったからに他なりません(シャッター音だけは気にくわないのですが)。残念ながらCONTAX Ariaは、このミディピレネーの旅ではお休みしていたのですが、近くに軽くお出かけするにはとても良いカメラだと思います。

 さて、今回の旅では、メイン機のEOS 5D MarkIIにアダプタを介して接続する形で、一眼レフCONTAX向けのカールツァイスレンズを持参しました。カールツァイスのブランドネームが振られたレンズは今も次々に発売されていますが、私が持っているのはマニュアル機だったCONTAXシリーズ向けのものなので、EOS 5Dに付けてもオートフォーカスは効きません。しかし、のんびりした街中で撮るのに、零コンマ何秒というキビキビとしたオートフォーカスは必要なく、むしろ街の雰囲気にはマッチしていたように思います。

 今回取り上げるVario-Sonnar(バリオゾナー) T* 80-200mm F4という望遠レンズは、決して高価ではなく、むしろ私が持っているレンズの中で、1位、2位を争う安さでした(中古価格)。ところが到底そう思えないいい写りを見せてくれます。このレンズを持って、これまでご紹介しているフランス南西部の美しい街「サルラ」(サルラ=ラ=カネダ)を旅します。


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Canon EOS 5D MarkII + Carl Zeiss Vario-Sonnar T* 80-200mm F4 (MM) フランス・サルラ Sarlat-la-Caneda

 午前中のきりっとした光の中で、あたかもセットなのではないかというぐらいに整った写りを見せてくれます。コントラストもしっかりしていて、色の乗りも良く、最近発売されたレンズなのではないか……というぐらいに、とても現代的な写りをしてくれます。後で写真を見たときに、本当にこのレンズで撮ったんだっけと調べ直したぐらいです。

 メニューはこの地方に典型的な並び方になってますすね。



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 この写真では多少距離を取っていますが、最短撮影距離が1mであり望遠200mm端ではマクロ的な撮影もできます。かなり模型チックなボケ方になり非常に面白い描写ですので、また別の機会にご紹介したいですね。


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 とても素直なボケを見せてくれる富士フイルムのXF35mmF1.4R とは違って、こちらはさすがにクラシカルなボケですね。ただこれはこれで味があっていいわけです。




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 絞ると非常にシャープです。石造りの街並みにも似合う描写を見せてくれます。一昔のレンズであったことを忘れさせますね。さすがはカールツァイスです。




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 トンネル状になった通路の先に素敵なレストランが広がっています。サルラにはこのような場所がたくさんあって、どこを歩いていても切り取りたい空間に出くわします。

 闇の向こうに広がる赤色が眩しく、ツァイスらしいしっかりした写りがたまりません。それでいて廉価版のAFズームレンズを使うよりずっと安いのですから、少し上を目指したい人にぜひお勧めしたいレンズです。

 今まで旅先には望遠ズームレンズを持っていっていなかったのですが、このレンズによって改めて、旅先で撮れる幅の広がりというものを認識させられました。

 まだこのレンズの作品は載せていきますので今後の更新をご期待下さい。


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by vivid_bit | 2013-10-25 20:12 | Vario-Sonnar80-200mm
カメラを持ってプラハへ カラフルを楽しもう
 プラハはモノトーンが合う街なのですが、中世らしいかわいい街並みは色彩の美しさも兼ね備えています。どういう絵を撮るか、とても悩ましいところですね。

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EOS 5D MarkII + EF24-70mm F2.8 L USM

 地下鉄の駅の駅名表示板とトンネルに貼り付けられた内装が大変美しく、見とれてしまいます。プラハの地下鉄のは独特の美しさに満ちています。

 プラハ市内の移動手段としてはトラムが有名ですが、地下鉄も忘れてはいけないですね。

 このMuzeum駅(ムゼウム駅)は綴りから見て分かるとおり、国立博物館のある駅です。地下鉄のA線とC線の乗換駅で、プラハの中心地域にあります。日本でいうところの上野駅といったところでしょうか。

 プラハ地下鉄を利用する際に一番困ったのは、アナログな自動券売機しか駅に置いておらず、その券売機の説明がチェコ語で書かれていたことです。駅員も無く、小銭しか投入できず、細かいお金が無い旅の始めには厳しい状況でしたね。皆様お気を付け下さい。



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 美しいデザインのあるところでは、人々の姿もまた美しいものです。

 デザインはいいのですが、エスカレーターが恐ろしく速いのも印象的でした(笑)


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 国鉄のプラハ本駅は外装はクラシックですが、中は現代化されています。こちらどことなくアートを感じますね。

 国際駅の雰囲気に満ちており、長距離を旅する人々が思い思いに準備している様子も見て取れます。


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 夕暮れ時の街並も美しいです。

 ちょっとした観光地では、このような風景が多少あっただけでも名所となりますが、プラハでは満然と歩いてもずっとこのような街並みが広がり、被写体にして困るところがありません。


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 電停でトラムを待つ人の姿も印象的です。


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 翌朝、プラハの旧市街に繰り出します。

 観光地で有名なカレル橋は観光客に溢れています。人のいない「中世の橋」という雰囲気を写真に撮るなら早朝に出かけるのが良さそうです。



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 カレル橋を渡ると中世の街並みが広がっています。パステルカラーのかわいい色合いが印象的です。





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 観光客向けのオープンカーも多く走ってます。これはこれで雰囲気があっていいですね。

 カレル橋からプラハ城にかけてのエリアは観光のゴールデンルートとも言うべきエリアですが、素敵な建物が多く、歩いていて飽きることがありません。

 坂がきついので、トラムで一気に登ってしまうという行き方もあるのですが、写真を撮りながら歩いているとそれほどつらくありません。


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 旧市街から坂を登り切ると、プラハ城があります。ここにある聖ヴィート大聖堂のステンドグラスは一見の価値ありです。



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 チェコは一人あたりのビール消費量ナンバーワンと言われてますが、ビール以外のお酒も豊富なようです。



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 ということで日中から飲んでいる人もたくさんいます。肉料理や揚げ物の料理が酒と合うんですよね。


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 スナップ写真は偶然の出会いから生まれる面白さがあります。

 それが見知らぬ土地なら尚更です。
 

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 古い街並みを駆け抜けるトラム。最初に地下鉄をご紹介しましたが、狭い道にも路線が敷設され、高頻度で運行されているプラハのトラムは有名です。乗るのも被写体にするのもありがたい存在ですね。



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by vivid_bit | 2013-08-18 12:01 | EF24-70mm L USM
クラシック音楽が転がっている街・プラハ
 西麻布にあるパリのカフェを思わせるお店「ビストロ・アンバロン」でランチをしながら、プラハの話題で大いに盛り上がりました。特にそこで話題になったのがプラハとクラシックの関係です。

 プラハに行って驚いたのは、街のいたるところにクラシックコンサートが行われていたことです。観光名所の通りのすぐ隣で「もうすぐはじまりま~す」(byチェコ語)と言って呼び込んでいるのですが、それが飲み屋ではなく、クラシック音楽の公演だったのです。もちろんレストランに弦楽四重奏が付いているというレベルのものではありません。本当にコンサートなのです。

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EOS 5D MarkII + EF24-70mm F2.8 L USM

 中世からの街並みに加えて、日常的に楽しめるクラシック音楽という組み合わせは、文化の揺るがなさを思い知らされます。

 どんな国であれ、元々は非常に庶民的なものであれ、原作の古いアートは、時代を経るうちに古典として特別な地位を与えられ、世間一般と隔離されたものとなりがちです。にも関わらず、クラシック音楽が日常に転がっているのですから、大衆に心から愛されている芸術であることがよく分かります。

 観光客相手の公演ではないかと見る向きもあるかもしれません。

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 しかし街の津々浦々、毎晩開催されているコンサートの多さを目の当たりにすれば、決して観光客相手だけで成り立つ軽薄なものではないことが分かるでしょう。

 翻って、我が日本にそれだけ揺るがない古典芸術があるのかというと、心許ないように思いますね。

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 何がこの違いを生むのかは分かりません。日本の雨の多く樹の育ちやすい風土が、木造建築物の頻繁な建て直しと、街の生まれ変わりを促し、その風土で育った人々の感性に、環境の自然な変化を切望する気持ちを植え付けたのかもしれません。

 そういう意味で、この写真にあるような古くからの建物を見ていると、変化に揺るがず、絶対的に存在し続けるような趣きがあります。そういった風土に生きる人々は、感性も違ってくるのではないでしょうか。



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by vivid_bit | 2013-08-15 19:42 | EF24-70mm L USM


カテゴリ
全体
DP2 Merrill
SWH 15mm F4.5 II
Summilux 35mm F1.4
NOKTON50mm F1.5
Biogon 21mm F2.8
Biogon 28mm F2.8
Planar 45mm F2
Sonnar 35mm F2.8
Distagon 35mm F1.4
Planar 50mm F1.4
Planar 85mm F1.4
Vario-Sonnar80-200mm
EF-S10-22mm
EF50mm F1.4 USM
EF24-70mm L USM
EF85mmF1.8 USM
EF135mm F2L USM
EF100-400mm F4.5-5.6
SP AF17-35mm F/2.8-4
XF35mmF1.4 R
XF18mmF2 R
その他
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