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X-Pro1の素晴らしさを改めて考察する
 富士フイルムX-Pro1の最大の特長は、唯一無二のファインダーです。

 もちろん、富士フイルムの持つ銀粒子への知見を生かしたセンサーAPS-C 16M X-Trans CMOSや、マグネシウムダイキャストで作られたトップカバーなど上質の機能・性能を抱え持つ優れた製品ですが、何といってもX-Pro1 のファインダーは見る人を驚かせるものがあります。


X-Pro1のハイブリッドビューファインダー


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FUJIFILM X-Pro1 + フジノンレンズ XF18mmF2 R フランス ボルドー

 X-Pro1には、ハイブリッドビューファインダーという特殊なファインダーが装備されています。このファインダーでは「ハイブリッド」の名が示すように、ライカのようなレンジファインダーカメラや一眼レフカメラのように光がそのまま目に飛び込んでくる光学ファインダーと、一度センサーで読み込んだデータを高精細液晶等に写し出す電子ビューファインダーの両方が備わっています。

 ライカのようなレンジファインダー型カメラでは、近くのものを撮るときに、レンズとファインダーの位置のズレから、ファインダーで見えていたものと、撮影されたもののズレが生じます(パララックス/視差効果)。また、どこにピントが合っているかを直接的に目で確認することができません。一眼レフカメラはその両方の欠点を克服して、レンジファインダーカメラを駆逐するに至りました。

 ところが、一眼レフには大きな問題がありました。それはその大きさです。


一眼レフの欠点

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FUJIFILM X-Pro1 + フジノンレンズ XF35mmF1.4 R フランス ボルドー・サンジャン駅


 一眼レフの「レフ」はドイツ語のシュピーゲル・レフレックスという言葉に由来します。この言葉の意味は何かというと、鏡の反射を意味しています。

 つまり、機構として反射鏡を備えているカメラを一眼レフと言い、ゆえに反射鏡分のスペースと重さが必要となったのです。

 もちろん一眼レフの軽量化への挑戦は古くから行われていました。1973年に登場したオリンパスOM-1はその代表格です。私の持っているCONTAX Ariaも相当なコンパクトさで、レンジファインダーカメラより軽いほどです。しかしながら、手頃なツールが求められる今の時代に、一眼レフはやはり大げさ過ぎる面は否めません。

 そこで登場したミラーレスカメラは軽量、コンパクトで、写し出す絵も素晴らしいものがあり、瞬く間に普及したのはある意味必然とさえ言えるでしょう。


改めてX-Pro1の素晴らしさとは

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FUJIFILM X-Pro1 + フジノンレンズ XF18mmF2 R フランス ボルドー

 では何ゆえX-Pro1のファインダーが優れているのか。

 スナップ写真のように人を交えた街の光景を、自分の視覚の延長で撮りたいときに、電子的な視界に変換されてしまうと、どうしても違和感が出ます。私自身、電子ビューファインダーは古くから使っていまして、オリンパス製「CAMEDIA C-2100 Ultra Zoom」という機体で写真を撮っていたこともありました。しかしながら、街頭スナップの、特に人を交えた撮影では、光学ファインダーに優位性を感じざるを得ません。この瞬間というものを切り取りたいときに、電子ビューだと直感的にうまくいかないのです。

 例えば上のボルドー の中心部の様子では、社会科見学に集まっている子ども達と周辺の街の様子を写していますが、通行人の様子を見ながらベストな瞬間を探ろうとすると、ごくわずかなタイムラグながらも電子的な視界だと自然に切り取ることができません。

 その意味でX-Pro1以後に登場しているX-E2、X-T1という機種は、私の用途から外れてしまいます。



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 一眼レフは一眼レフで素晴らしいですし、特にオートフォーカスの性能が今もずば抜けて居ますので、これはこれで優位性があります。ところが、一眼レフを構えているぞという姿が、人々の自然な様子をかき乱します。スナップシューターとしては、これは致命的な問題です。

 自然に撮れるというのがスナップ写真を撮るときの必要条件とさえ言えると思います。

 さらに旅先で、色々な写真を撮っていくときに、テーブルの上のおいしそうな料理や教会の中でほのかに輝くろうそくを撮影したくなることもあるでしょう。

 パララックスがある上に厳密なピント合わせができず、適切な露出をすぐ導くのに難儀するレンジファインダーだと、かなりつらいシチュエーションです。このような場面では電子ビューファインダーに切り替えて撮影できるので、まごつくことなく撮影ができます。


X-Pro1が導くスナップショットの楽しみ

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 スナップショットとは、元々狩猟用語で、飛び出てきた獲物をさっと撃つことを言うそうです。大分物騒な用語ではありますが、確かに写真においてもそういう面はあります。X-Pro1は街頭での様々な獲物にも対応できるスナップシューターとして万能性を持っています。

 さらに上に述べた特長以外にも、ローパスフィルターを持たないX-Trans CMOSのおかげで、大変シャープな絵を結び、高感度撮影にも強いです。フィルムメーカーとしての知見を生かして、JPEG撮って出しの絵も素晴らしく、RAW画像から編集する時間的余裕が許されない場合にも対応してくれます。

 色々なレンズシステムを並行使用している私が、もしシステムを統一せざるを得なくなったら、富士フイルムXシリーズが一番の解なのかもしれません。


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 それだけの機能を持つからこそ、スナップ撮影に安心して向かうことができ、夢中になって絵作りができるわけです。

 特にスペックあれこれを考えることなく、自然体で被写体に向き合い没頭できることが、カメラとして一番大切なのだと思いますね。



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by vivid_bit | 2014-03-22 15:30 | XF18mmF2 R
トラムのある街・ボルドー by NOKTON 50mm F1.5
 トラムが走っている街は独特の温かさがあります。色々な理由はあると思いますが、街全体が車一色に染まらずに、人や歴史との調和というものを人々が大事にしているからかもしれません。

 ボルドーもそういった面が色濃い街だと思います。そして、大西洋に注ぎ込むガロンヌ川の左岸に広がる世界遺産の指定地区をトラムは走ります。近未来的なデザインの車体と歴史ある街が調和しているのが何とも不思議に思いませんか?

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LeicaM9 + Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Aspherical フランス・ボルドー


 このトラムはご覧の通り架線がありません。どうやって電気を引いているのでしょうか? 電池でしょうか? いえ、レールをよく見て下さい。2本のレールの間に、なぞの線が一本ありますよね。この線の地下に電気を流す第三のレールがありまして、いわゆる第三軌条方式と呼ばれる仕組みなのです。実際にこの集電レールはほとんど隙間がなく、その下に電気が流れていることはもちろん、その下にトラムからどうやって差し込んでいるのかも分からない程です。

 第三軌条方式といえば東京では銀座線があります。銀座線のホームから線路の反対側を見ると電流注意のプレートが出されているのですが、このトラムにはそうした注意は一切ありません。確かに、この下に足を突っ込んでしまうような危険性は無さそうです。

 フランスでは各都市において野心的な交通システムの導入がなされることがありますが、ボルドーの第三軌条方式(路面集電システム)はその最たるものと言えそうです。



アラン・ジュペ市長の施策とトラムの関係

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 このトラムの整備は、当時のアラン・ジュペ市長が進めたものですが、単にトラムの整備だけではなく、ガロンヌ川沿いの歴史地区の整備として一体的に進めたものです。ガロンヌ川沿いのフェンスを撤去して、市民に対して自由に開かれた公共空間が提供され、同時に歴史との調和が図られました。この写真でお見せした水盤もそのときの改革で作られたものです。

 結果として、これらの都市再整備が世界遺産登録につながりました。ですので、世界遺産の街にトラムを通したというのは少し間違った見方でして、両者の再構築・再整備は密接不可分だったのだと思わなければならないでしょう。




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 日本では各地で世界遺産の登録を目指して活動が行われています。しかし、その活動は形式的なものに過ぎるのではないでしょうか。街を形取った歴史の再生と、今を生きる人々の足の整備を一体的に考え、その成果として登録を得るという発想があるでしょうか。鎌倉市が非常に拙速な申請により実質NGが出て、当分の申請活動ができなくなりましたが、ボルドーの取り組みと対比するとそれは当然の結論と言わざるをえません。

 一時期、ボルドーのアラン・ジュペ市長は、フランス共和国の首相も兼務していました(ジャック・シラク政権)。その後、国防大臣と外務大臣にも就任しており保守政界の大物と言える人物です。市長と首相を兼務できるという制度上の違いはありますが、日本でそのような大人物が地方自治体にいるのかというと、暗澹たる気分になってしまいます。

 世界的に魅力のある都市整備には、それだけの強力な政治力が必要だと認識しないといけませんね。


ボルドーのトラムと街の人々と


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 政治のありようとは無関係に、電停で待つ人々の姿にもドラマがあります。

 カメラ片手にただこのトラムの路線沿いを歩いていたのですが、あらゆる瞬間にドラマがあり、全く飽きることがありませんでした。

 そしてこの写真。トラムの通過に合わせてカメラを構えていたら、ピースしてくれました(笑) すれ違ってお互い笑顔。嬉しいですね。

 パリはいかにも大都会といった雰囲気でしたが、ボルドーのほどよく気ままな都会さと自由さがとてもいいです。

 以前取り上げたプラハ もそうですが、街に歴史が溶け込んでいる街は、時代の気ままさに左右されない独特の空気が市民に根付くのかもしれません。



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 先代のノクトン50mm (NOKTON 50mmF1.5 Aspherical)で撮影していますが。ピントの切れも良く、ボケも自然なので、レンズのクセを意識せずにありのままにカメラを楽しめる一本です。

 難を言うなら写りが良すぎるというところでしょうか(笑) ライカ使うならもっと味のある写真を撮りたいという人は多いかもしれません。

 さて写真に戻りますが、ボルドーのトラムは旧市街地の中心を通る庶民の足として大いに活用されていて、ほぼ満員の状態で運行されていました。この電停はサンタンドレ教会という名所であることに加え、乗り換えにも使われることもあって、特に利用者が多いようで、常に多くの人がトラムを待っています。



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 JR東日本元会長の山之内秀一郎氏が大学に講演に来たときに「路面電車はマニアのための乗り物」と切り捨てていたのですが、旧市街地の都市再生計画と調和した交通手段という点で、トラムの重要性は各国でも年々増しているように感じます。ボルドーにトラムが導入されたのも、その講演のずっと後でした。

 確かに日本は人口密度も高く、到底トラムの輸送効率では処理できない路線も多いとは思うのですが、京都のようにいまだにバスが幅をきかせている大都市も少なくありません。都市景観や環境への配慮、大規模公共投資を不要とするいう点で、見直すべき交通手段であるように思いますね。

 そして、都市スナップにはとても魅力的な被写体であることも、メリットに付け加えて頂ければと思います(笑)



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by vivid_bit | 2013-12-11 11:34 | NOKTON50mm F1.5
月の港ボルドー ワインの都の水鏡にて
 ボルドーといえば想像するものは恐らくワインでしょう。ではフランスの都市、ボルドーはどんな街だと言われて、想像が付くでしょうか?

 実はボルドーの中心市街地は「月の港ボルドー」という定義で、世界文化遺産に選ばれています。普通「世界文化遺産」と言うとスポット的に特定の歴史的建造物という形で指定されることが多いですが、このボルドーは違います。ボルドーはワイン貿易で栄え、近世からの歴史建造物が多く残っているため、市内人口24万人の都市でありながらも街の中心エリアが面として世界遺産に指定されているのです。

 その中心に位置するのがブルス広場( Place de la Bourse )です。

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LeicaM9  + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical II

 ブルス広場には「水鏡」( Miroir d'eau )という薄く水を張った施設があり、ブルス宮殿とトラムを眺めるボルドーを代表するシンボルとして知られています。

 どうですか。この絶景?




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Canon EOS 5D MarkII + Carl Zeiss Vario-Sonnar T* 80-200mm F4

 水鏡の上でダンスの練習をしている二人組がいました。絶景だからこそ絵になります。

 奥に見えるのは旧商工会議所です。フランスの壮麗な建物というと、つい王侯貴族によるものを想像してしまいますが、ワインの街・ボルドーでは、貿易商人が大変な力を持っていたことがうかがい知れます。歴史ある風景も、現代的なアートの文脈に溶け込むことができる点は、さすがフランスの懐の深さといったところでしょうか。

 ちなみに建物のほとんどは石灰岩で造られているのですが、これらの石灰岩は、ボルドー近郊にあるワインで有名なサンテミリオンのあたりから運ばれてきたものだそうです。


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Canon EOS 5D MarkII + Carl Zeiss Vario-Sonnar T* 80-200mm F4

 なぜここで歩きながら電話しているかよく分かりませんが、なんとなく自由になる場所ではありますね。

 ビジネスの最中のような方がウロウロしていたのも印象的な点でした。






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Canon EOS 5D MarkII + Carl Zeiss Vario-Sonnar T* 80-200mm F4

 ネオクラシック様式の壮麗な建物が目に飛び込んできます。


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Canon EOS 5D MarkII + EF24-70mm F2.8L USM

 一定時間ごとに水が引きます。これはちょうど引いたときの写真です。

 観光客もそれなりに多いのですが、それよりも地元の人が大変多く、童心に帰って楽しんでいる様子が見られます。季節ごとにまた楽しみがあるんでしょうね。




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Canon EOS 5D MarkII + EF24-70mm F2.8L USM

 友達の男の子に水をたくさんかけられて泣いてました。

 美しい場所には必ずドラマがありますね。




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Canon EOS 5D MarkII + EF24-70mm F2.8L USM

 水が引いた後、突然現れるのがこのミストです。ミストが出たときも絵になります。








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Canon EOS 5D MarkII + EF24-70mm F2.8L USM



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Canon EOS 5D MarkII + EF24-70mm F2.8L USM

 昼過ぎに突然の雨が降ったのですが、すぐに雲は切れ、空気は一層鋭さを増しています。日が暮れると共にその雲に遠方の光がかかり、色を増していきます。





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LeicaM9  + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical II

 広場の真ん中には架線の無い最新式のトラムが通り、夕暮れと共にこの広場の美しさが増していきます。ボルドーの西は大西洋。海の向こうから届く綺麗な光が、リゾートを思わせるような夕暮れを演出してくれます。




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LeicaM9 + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical II

 美しい空の下、子ども達は元気です。




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LeicaM9  + Summilux 35mm F1.4 2nd

 日が暮れて、ズミルックス35mmの淡い写りが夜の訪れを描き出します。少しにじんだこの光景は決して大げさなものではありません。むしろ記憶の中のイメージはこの通りと言える気がします。

 ボルドーのこの美しい光景は、一生忘れることが無いでしょう。


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ボルドー(Bordeaux)
フランス南西部の要衝となる都市。アキテーヌ地域圏の首府。都市圏人口85万人。2007年に世界遺産登録。

日本から直行便無し(日本からはパリまたはアムステルダム経由の航空便となる)。またはパリからTGV直行便で約3時間30分(東京から新幹線で岡山あたりまでの所要時間に相当)。

ボルドーで撮影した写真はこちらへ → ボルドー
フランス南西部の美しい町の写真もどうぞ → サルラ





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by vivid_bit | 2013-11-06 18:28 | SWH 15mm F4.5 II


カテゴリ
全体
DP2 Merrill
SWH 15mm F4.5 II
Summilux 35mm F1.4
NOKTON50mm F1.5
Biogon 21mm F2.8
Biogon 28mm F2.8
Planar 45mm F2
Sonnar 35mm F2.8
Distagon 35mm F1.4
Planar 50mm F1.4
Planar 85mm F1.4
Vario-Sonnar80-200mm
EF-S10-22mm
EF50mm F1.4 USM
EF24-70mm L USM
EF85mmF1.8 USM
EF135mm F2L USM
EF100-400mm F4.5-5.6
SP AF17-35mm F/2.8-4
XF35mmF1.4 R
XF18mmF2 R
その他
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