フランス南西部にあるカルカソンヌはその城塞の巨大さで有名です。間近で見るとその壁が二重に形成されていて、非常に堅固であることがよく分かります。攻城砲の運用がはじまるまでは、とても攻め落とせない場所であったに違いありません。 そしてその姿はゲームの世界にあるような中世のお城そのもの。主人公のような気分で門へ近づきます。 いざ城壁に近づくと、恐ろしい高さで壁はそびえ立ち、夕日が黄色く染め上げています。太陽の反対側に当たる澄んだ青空とは対照的な色合いですね。そして、SUPER WIDE-HELIAR 15mmがコントラストの強い、非常に力のある描写をしてくれます。15mmという超広角域の画角が、城の持つ力強さを一層増しているような気がしますね。 これだけ高い城壁が残っているというのは、その後この地に戦乱が無かったという意味にもなります。15世紀に火砲が発達すると、高い城壁は簡単に撃ち崩されることとなり、その防御的価値を低下することになりました。このような戦争技術の変化を受けて、高い城壁を持つお城から函館の五稜郭のような星形要塞へと姿を変えていくのです。カルカソンヌの城塞は、時代の流れに関係無くそのままであり続けました。 つまり古風な城の形は、その後の土地の平和の象徴でもあるわけですね。 で、その中はどうなっているかというと……。 案外人がぎっしりで、俗っぽかったという……(笑) やはりザ・観光地というのはこういう風になりがちですよね。 #
by vivid_bit
| 2014-03-04 18:00
| SWH 15mm F4.5 II
フランス・カルカソンヌの城塞は街からほど近いところにあり、宿からは徒歩15分ほで城塞までたどり着けます。ライカM9にフォクトレンダーのNokton50mm(旧モデル)やSUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical IIを手に、世界遺産に指定されている城を目指します。 城塞の外には微妙な古さの街並みが続いており、世界遺産的な街とは違って日常の延長のような楽しみがあります。 カルカソンヌに宿泊する際には、城塞(シテ)の中に宿泊するか、外に宿泊するか迷うところです。ただ歩いてもそれほどの距離ではないですし、実際に私も1泊のうちに3往復できたくらいなので、それほどこだわらなくてもいいのかなと思います。それにシテ内のホテルは高いですからね。 古い街並みの中にも、人々の日常があります。 市街地を抜け、小高い丘を取り巻く坂道の上には、絵に描いたようなヨーロッパの古城がそびえ立っています。急な坂道を登っていくと、その城の威圧感は否応にも高まってきます。石の力強さと丘が作り出す自然の光景が対照的でした。 ボルドーの写真でもノクトン50mmF1.5の立体的な描写をご紹介しましたが、やはりこのレンズは只者ではありません。富士フイルムXシリーズのXF35mmF1.4 Rも素敵なレンズなのですが、フルサイズで使用できるノクトンはボケ量が大きく、それだけ立体的に見えます。 どっしりと構えた城塞の重々しさにただ圧倒されます。火薬を使った兵器の無い時代に、このような城塞との戦闘は地獄のような光景だったことでしょう。石造りの城塞が醸し出す厳粛は、滲み出るその歴史の重さとは無縁ではありません。世界遺産という言葉の軽さとは裏腹に、この建築物全体が武器なのだということを本能的に思い知らされました。 #
by vivid_bit
| 2014-03-02 18:00
| NOKTON50mm F1.5
その規模はヨーロッパ最大級と言われ、二重の塀が行く手を遮ります。この土地はスペインにも近く、大西洋と地中海を結ぶ場所にあります。古くから極めて重要な戦略拠点であったことがうかがえます。 フジノンXF18mmF2Rは、空と城をストレートに写し出してくれます。またX-Pro1の持つ解像度の高さが生き、非常に繊細で力強い描写を見せつけてくれました。 引き続き色々なカメラで撮影したカルカソンヌの写真を紹介していきますのでお楽しみに。 #
by vivid_bit
| 2014-02-23 21:54
| XF18mmF2 R
フランス南西部の都市トゥールーズからTGVで40分。世界遺産である「歴史的城塞都市 カルカソンヌ」( Historic Fortified City of Carcassonne )に到着します。 城塞の周辺には、古いブルジョワの屋敷を改造したフランス版の民宿「シャンブルドット」( Chambre d'hôte )が点在しており、城塞を訪れる前から歴史を感じることができます。 宿泊したのはドミュール・サンルイ( Demeure Saint Louis )という宿です。この建物はカルカソンヌで生産されていた「 Fritz Lauer 」というビール醸造会社のオーナーの屋敷です。隣地に立っていたビール工場は、ビール生産の自動化の波に押され、1950年代に取り壊されたそうですが、オーナーの屋敷だけは残っていたようです。2004年に、現オーナーがこの素晴らしい建物を買い取ってシャンブルドットを開業したそうです。 近世の建物ではありますが、その造りの端々から歴史の重みが伝わってきます。パリの古い建物にも泊まったことがありますが、窮屈な感じは否めませんでした。一方でこのような地方の屋敷というのも伸びやかでいいものです。まさにフランスという実感が湧いてきますね。 空間の素晴らしさを堪能していると、オーナーから古めかしい鍵を手渡されました。 歴史ある建物を象徴するかのような鍵を、DP2 Merrillが空気感ある描写をしてくれて、とても気に入っている一枚です。シャープに写るカメラということで話題になることが多いですが、近接撮影は味のある描写で、あたかも夢の中のイメージかのようなボケを見せてくれます。 先ほど、「フランス版の民宿」だと書いた通り、シャンブルドットでは、オーナーがこの建物内に住んでいます。ディナー後に宿に戻ると、オーナーのご家族がテレビを見ながら楽しそうに過ごしてました。それでも家を間借りしているという居心地の悪さもなく、非常に自然に過ごせます。 また古めかしさのある内装とは裏腹にとても清潔感があり居心地が良い宿でした。古い建物だとホーンテッドマンション的な怖い雰囲気になりがちですが、所々に華やかな調度品が散りばめられ、アンティーク風のものが好きな女子には特にたまらない雰囲気です。 夕食のサービスは行っていないのですが、せっかくなら定評のあるレストランに行きたいところですし、あまり問題にはなりません。朝食は、ほどよい広さのダイニングルームで頂きました。パンとフルーツとコーヒーという非常にシンプルな組み合わせでしたが、パンが非常に香ばしくておいしかったです。フランスの朝食恐るべしですね。ちょうど居合わせたイギリスのご家族も満足げな表情です。 この宿で忘れてならないのが、オーナー(ご一家)のおもてなしです。飾らない感じですが、暖かくて気持ちがいいんです。最後は娘さんが駅まで車で送ってくれたのですが、表情一つ一つが人間味にあふれていて、心暖まる旅になりましたね。 日本ではあまり知られていないシャンブルドットですが、部屋のクオリティが高く、ホテルでは味わえない雰囲気があります。要はB&Bなのですが、ホテルのサービスは不要だが、旅の雰囲気は味わいたいというの人にはたまらない選択肢だと思います。また料金も比較的リーズナブルでコストパフォーマンスにも優れています。 今後少人数ツアー向けに「フランスのシャンブルドットに泊まる!」という謳い文句が増えそうな予感がしますね。おすすめです。
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by vivid_bit
| 2014-02-22 19:09
| DP2 Merrill
フランス南西部の大都市・トゥールーズ。煉瓦で出来た歴史ある建物と多くの学生が溢れる活気ある街です。ホテルに重い一眼レフを置き、X-Pro1を持って街へ繰り出します。 路地裏の奥には教会がそびえ立ち、その前を多くの学生が横切っていきます。日没が近づき明るい光が、煉瓦の街を覆っていました。 富士フイルムX-Pro1は、ローパスレスという仕様により非常に繊細な像を結ぶカメラです。したがって、石造りや煉瓦造りの建物や石畳の道路を精巧に表現してくれます。その一方でギスギスしない表現を見せてくれるフジノンレンズ群は、情緒ある情景を演出し、機械的になりすぎない表現を実現します。(一方でSIGMA DP Merrillシリーズも、個性的な表現をする機械として大いに活躍してくれます) トゥールーズを代表する建物であるジャコバン修道院を遠くに見通し、四方を歴史ある建物に囲まれたこの空間を表現するのに、適切な描写をしてくれる一台と言えます。 ジャコバン修道院はヤシの木のような支柱のあるゴシック建築として、この街を代表する存在なのですが、残念ながらこの日は入館できませんでした。ガロンヌ川にかかるポンヌフ橋( Pont Neuf )付近へ歩きます。 海外旅行の中でも、特に都市中心の旅行においては、食べ物を撮影したり、夜の情景を撮ってみたりと、色々なシーンに出くわします。被写体に寄れないライカだけでは、食べ物の写真は諦めないといけないですし、夜のシーンではノイズも気になります。動的なものまでは撮らないまでも、街をゆく人々の姿に対してピントを一瞬で合わせたいときなど、マニュアルフォーカスではどうかなという場面も多いと思います。またレンズの性能にもこだわりたいという人も多いのではないでしょうか。 これらの条件を充たし、かつ一眼レフほど威圧感を与えることなく、風景に溶け込んだ形でスナップできるという意味で、富士フイルムミラーレスのカメラは最適だと思います。さらに言えば、肉眼で美しい情景を捉えながら、その一瞬を切り取ることができる目の延長ツールたりうるX-Pro1こそが、Xシリーズの中の旅行向けベストマシンだと私は考えます。 フランス南西部ミディ・ピレネー地域圏の首府。 都市圏人口110万人。(フランス国内で第6位の規模) この地独特のピンク色の煉瓦の色から、「バラ色の都市」と呼ばれている。エアバス社の本社が置かれており、ヨーロッパにおける航空宇宙産業の中心地でもある。 日本から直行便無し(日本からはパリまたはアムステルダム経由)。 トゥールーズ近郊の美しい町の写真はこちら → サルラ #
by vivid_bit
| 2014-02-21 17:55
| XF18mmF2 R
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