スイスの車窓から3(ユングフラウ鉄道を旅する)
 前回の記事(スイスの車窓から2(ヴェンゲルンアルプ鉄道を旅する))の続きです。スイス中部にあるオーバーラント三山を見渡せる峠の駅、クライネ・シャイデックで昼食を取り、いよいよヨーロッパ最高地点の駅を目指します。

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EOS 5D MarkII + EF24-70mm F2.8 L USM ユングフラウ鉄道 クライネ・シャイデック駅付近

 クライネ・シャイデック駅から、名峰ユングフラウの中腹に造られたユングフラウヨッホ駅まで、ユングフラウ鉄道という登山鉄道が伸びています。この鉄道はおよそ9キロの距離しかないのですが、標高約2000メートルの地点から、約3500メートルの地点まで登ってしまいます。日本で普通に登山の対象となるような山の上から、一気に富士山の山頂近くまで登ってしまうわけですから、とんでもない登山鉄道だということがお分かり頂けるかと思います。

 ユングフラウヨッホ駅が完成し、全線が開通したのは1912年8月のこと。この写真を撮影したのは、まさにその100年後の2012年8月のことでした。

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クライネ・シャイデック駅

 時計メーカーのティソ(TISSOT)が全線開通100周年の公式スポンサーだそうです。100周年記念ウォッチが描かれているラッピング車両もクライネ・シャイデック駅で見ることができました。鉄道の○○年記念イベントを鉄道会社以外の会社が抱え持つというのは、日本ではあまり見られない光景ですね。

 ティソはスウォッチグループの傘下にあるブランドです。国際的な企業だからこそできるマーティング手法とも言えます。


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クライネ・シャイデック駅(ヴェンゲルアルプ鉄道車両)

 スイスの鉄道駅では、有名な時計メーカーや宝飾品メーカーが看板を設置していることが多く、日本の鉄道駅とはかなり違った趣きでした。さすが世界から観光客を集める登山鉄道は雰囲気が違います。そしてオシャレです。

 このクライネ・シャイデック駅から更なる列車の旅がはじまります。


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クライネ・シャイデック駅

 車両の中は混み合っており、席を探し出すのもやっという状況です。出入口近くに補助席を見つけることができました。

 駅のホームは右に大きくカーブを取っており、平地が極めて限られている場所であることを物語っています。アイガー北壁初登頂を目指したクライマー達も宿泊したという歴史あるホテルの前を通り、間近にそびえ立つユングフラウを目指します。


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 穏やかな斜面を列車は進んでいきます。線路のすぐ脇を牛たちが休んでいます。絶景を目の前にしたのんびりした光景は、なんとも気持ちの良いものです。乗客の皆さんもカメラ片手に興奮している様子ですね。


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 ということでお気に入りの牛写真を一枚(笑) さすがに車窓ではなく、クライネ・シャイデック駅で下車したときの一枚です。唐突にスイマセン。


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 線路の脇にはハイキングコースが見えます。断崖絶壁の山へ向けて進んでいく方も多いです。ユングフラウヨッホからの帰りに、クライネ・シャイデック駅の一つ手前のアイガーグレッチャー駅で下車し、クライネ・シャイデック駅まで徒歩でハイキングを楽しむのもおすすめです。このコースはユングフラウ鉄道全線開通100周年を記念して「アイガー・ウォーク」という名前で整備されています。


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クライネ・シャイデック駅~アイガーグレッチャー駅間

 オーバーラント三山の前に広がる谷はラウターブルンネンのある谷につながり、その谷の向こう側には小さな村・ミューレンが見えます。足下には美しい花が咲き、遠近感のある広がりのある眺めに、どこからでも写真を撮りたくなることでしょう。鉄道と絡めても良し。山だけ切り取っても良し。花を中心に撮影しても良し。なんでもありのハイキングコースですね。

 クライネ・シャイデック駅とアイガーグレッチャー駅の間には、スキーシーズンの人工雪のために造られたダム湖・ファルボーデン湖(ファルボーデンゼー / Fallbodensee)があり、逆さアイガーを撮影することができます。車窓からはいいアングルで撮れませんので、ここはハイキングしながら楽しんでみてはいかがでしょうか。



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アイガーグレッチャー駅

 ユングフラウ鉄道の後半はほとんどがトンネルの中です。のぞき窓のある場所に駅があるだけなので、車窓はほとんど楽しめません。トンネルの入口にあるのがこのアイガーグレッチャー駅です。

 アイガーグレッチャー駅にはレストランがあり、駅の名前の由来であるアイガー氷河を眺めることができます。駅にはユングフラウ鉄道が経営する宿泊施設(ゲストハウス)もオープンしているそうです。鉄道職員のための寮だったものを改造したものだそうで、中はなかなか無骨なようですが、それはそれで興味深いですね。職員の方がご飯を食べに来ることもあるそうです。


 列車はいよいよトンネルに入ります。

 長い長いトンネルの中で、熟睡しているうちに聞き覚えのある声が……。

 「アルプスの少女 ハイジ」のハイジの声です。もちろん日本語です。車両の中にはモニタが多数設置されており、日本の通勤電車よりも多いのではないかと思うほどの密度です。その画面には見覚えのあるハイジの姿が映っているではありませんか!

 「まもなく終点です」という日本語の声が、ほとんどヨーロッパ系の人しか乗っていない車両に鳴り響いています。日本人なら笑ってしまう光景です。

 実はこれ、ユングフラウ鉄道全線開通100周年を記念し、2011年から2012年末までの期間限定ということで、行われていたキャンペーンだったそうです。
 

 アニメーションの絵を使ったキャンペーンは終わってしまったようですが、通常版の日本語アナウンスに今も使われている説がありますので要注意です(笑)

 そしてハイジも言うように終着点に到着します。


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ユングフラウヨッホ駅

 ユングフラウの山の中、ヨーロッパ最高地点の駅(3,454メートル)であるユングフラウヨッホ駅に到着します。岩盤を掘り抜いた荒々しい壁がただの地下駅でないことを教えてくれます。そして、岩からしみ出すようなひんやりとした空気が緊張感を高めます。

 近年は列車の本数が増え、こちらのホームとは別にもう1面1線のホームが増設されている忙しい駅でもあるようです。往来する人をかき分けながら案内板に従って進みます。

 この駅には大型のエレベーターが設置されており、一気に展望台まで登れます。

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ユングフラウヨッホ展望台・アレッチ氷河


 展望台から足を踏み出すと、そこは厳寒の世界が広がっています。真夏であるにも関わらず、冷たい風が顔を突き刺します。しかしその向こうには、ヨーロッパにいるとは思えない巨大な氷河が広がっていたのです。

 アレッチ氷河は世界自然遺産にも指定されているヨーロッパ最長(約23キロ)の氷河です。真っ白な氷雪と黒々とした岩山のコントラストは見る者を圧倒します。夏らしい、質感のある雲との組み合わせが何ともファンタジックな印象がしてきます。ヨーロッパの真ん中にこんなに豊かな自然が広がっていることに驚いてしまいます。

 100年前に大変な努力をして鉄道を切り開いたのは、この美しい光景を多くの人に見せたいと思う人が大勢いたからだと思います。その想いを裏切らない光景が広がっていました。



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# by vivid_bit | 2014-07-13 12:56 | EF24-70mm L USM
スイスの車窓から2(ヴェンゲルンアルプ鉄道を旅する)
 スイスを巡る観光ツアーの大半で、必ずといっても入っている場所があります。一つはマッターホルンの周辺で、これは前回(ゴルナグラート鉄道を旅する)及び以前(スイス・マッターホルンへの鉄路とモノトーン旅行記)の記事でご紹介したエリアになります。

 もう一つは今回ご紹介するアイガー、メンヒ、ユングフラウのあるオーバーラント三山の周辺のエリアです。特にユングフラウの山腹にありヨーロッパ最高地点にある駅・ユングフラウヨッホ駅を目指すことが多いようですね。日本の観光ツアーのみならず、世界中の観光客を集めているこのエリアの魅力をEOS 5D MarkIIと共にお伝えします。

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EOS 5D MarkII + EF24-70mm F2.8 L USM ユングフラウ鉄道 クライネ・シャイデック駅付近


ヴェンゲルンアルプ鉄道を行く

 旅は、72の滝を有するとされる谷底の街、ラウターブルンネン( Lauterbrunnen )から始まります。スイス中部の高原地帯、ベルナー・オーバーラント地方の山岳観光において入口ともいえる場所にあるこの街からは、ヴェンゲルンアルプ鉄道( Wengernalpbahn )が伸びており、山の中腹にあるリゾート地ヴェンゲン( Wengen )を経由して、峠の駅クライネ・シャイデック( Kleine Scheidegg )にたどり着きます。ついでに言うと、鉄道自体は、峠の向こうの東側にある観光拠点・グリンデルワルトにもつながっているのですが、運用上はクライネ・シャイデックで分断されており、全線通しの運転はされていません。

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ラウターブルンネン駅

 ラウターブルンネン駅から山々を見上げると、あんな高いところまで本当に登ることができるのかと思ってしまうほどです。まして、こんなに厳しい地形を100年以上も前から鉄道が乗り越えていたことに驚きを感じざるを得ません。

 思いを馳せるうちに、鉄骨とガラスを使った簡素ながらも現代的な駅舎に小さな列車が入線します。日本では見たことが無いくらいに座席が小さくて窮屈な車両ですが、旅の雰囲気は満点ですね。さぁ、いよいよ出発です。


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ヴェンゲン駅

 緩やかな坂を右に左にとカーブしながら登っていき、ラウターブルンネンの街を下に見ながらU字谷の壁面を列車は登っていきます。斜面を登り切ったところにある街が、リゾート地でもあるヴェンゲンです。

 ゴルナーグラート鉄道もそうなのですが、スイスの鉄道はパターンダイヤをきっちりと守りつつ、乗客が車両からあふれるような時は、臨時列車を続行運転させる形を取っています。今回、アジア系の団体旅行客を乗せた専用列車(この写真に写っている列車)が先行し、私の乗った列車はそれに続く形で進んでいます。乗降客の多いヴェンゲン駅では先行列車が停車していたところに後続列車である我々の列車が追いつきました。ヴェンゲンで降車した人たちが先行列車の出発を待っています。


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 急峻なアルプスの山並みが行く手を遮るかのようにそびえ立っていますが、列車はそのままのスピードで山を登っていきます。自然いっぱいの光景に脇見するのも惜しいほどです。

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 途中、小さな駅舎しかないヴェンゲルナルプ駅を通りますが、駅舎の裏にはしっかりしたレストランがあるというから驚きます。観光大国としてのレベルの高さを痛感しますね。

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ヴェンゲルナルプ駅~クライネ・シャイデック駅間

 急な斜面に広がる放牧地を抜け、山の木々が無くなると、目の前に荒々しく巨大な山塊が目に飛び込んできました。アイガー、メンヒ、ユングフラウの三山です。その巨大な岩の壁からは、車窓越しであっても圧迫感を覚えるような迫力があります。地球の質量が可視化されたかのようなインパクトです。この瞬間こそが、この鉄道最大の見せ場と言えます。ということで登りの場合は進行方向右側の座席がおすすめです。

 この大パノラマが見えると、いよいよ峠の駅、クライネ・シャイデックに到着です。

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クライネ・シャイデック駅


クライネ・シャイデックで途中下車


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クライネ・シャイデック駅付近

 クライネ・シャイデックは、ラウターブルンネンから登ってきた列車と、グリンデルワルトから登ってきた列車が合流し、ユングフラウ鉄道に乗り換えてさらにユングフラウを目指す地点にある駅です。したがって3方向に線路が伸びている形になります。標高は約2100メートル。ラウターブルンネンからは45分をかけて1200メートル以上登ってきた計算になります。

 駅以外には雰囲気のある山岳ホテルとレストランが建っているだけで、街といえるようなものはありません。しかし駅やその周辺からは絶景を楽しむことができ、ただ登山電車の乗り換えだけに使うにはもったいないほどの場所です。このホテルもアイガーを目指すクライマーにとって、出発点ともなる場所なのだそうです。

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 駅周辺にはハイキングコースがあり、穏やかな景色を楽しみながらのハイキングが楽しめます。複数のルートがあり、いずれも眺めは抜群です。これほどに素晴らしいハイキングコースもなかなか無いように思えます。

 ユングフラウ方面に向かう道の途中には柵があり、観光客が通る旅は毎回毎回開閉が必要になります。なんだろうと思ったのですが、傍らの草むらを見てその理由がよく分かりました。牛が線路に入ってしまうからです。


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 牛がこんな近くにいるなんて、驚きの光景ですよね。カウベルを鳴らしながらお食事を楽しんでいました。

 クライネ・シャイデックの駅周辺では、このようなのどかなアルプスの光景も楽しむことができるわけです。



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レストラン アイガーノルドバンド

 クライネ・シャイデックの駅のすぐそば、三山を望む一番の場所にレストラン・アイガーノルドバンド( Restaurant Eigernordwand )があります。ノルドバンドとは北壁の意。外にはテラス席からアイガーの切り立った岩壁を見ることができます。地場のチーズを使った料理とアルプスの巨大な山々を肴に飲むビールは、本当に生きていて良かったと思う味わいでした!(笑)

 次回はクライネ・シャイデックからユングフラウ鉄道でユングフラウヨッホを目指します。

つづき



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# by vivid_bit | 2014-07-06 19:32 | EF24-70mm L USM
スイスの車窓から(ゴルナーグラート鉄道を旅する)
 普段、鉄道旅行をする機会の無い人であっても、ヨーロッパの旅先での列車の旅には、少なからず関心を持つのではないでしょうか。

 至る所に絶景があり、その間を縫って走るスイスの鉄道であるなら尚更強い興味を持つことでしょう。そんなスイスでの車窓からの景色をご紹介したいと思います。

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EOS 5D MarkII + EF24-70mm F2.8 L USM ゴルナーグラート鉄道 リッフェルボーデン・リッフェルベルク駅間

 マッターホルンにほど近く、多くのホテルが存在するツェルマット( Zermatt )の街からゴルナーグラート鉄道は出発します。ゴルナーグラート鉄道( Gornergratbahn / GGB)は、通常の鉄道レールに加えて歯形のレールをもう一本加えたアプト式のレールを持ち、最大勾配200‰(パーミル)という急傾斜を駆け上がる登山鉄道です。箱根登山鉄道が最大勾配80‰であることからしても、かなりの急勾配を登っていくことが分かります。

 出発点のツェルマットは、マッターホルン観光の出発地点として多くのホテルや別荘が集まる観光拠点です。しかし花に充たされたその街並みを見ていると、スイスに来たことを実感させられます。その街から列車はゆっくりと出発していきます。

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 所々で山を下ってくる列車とすれ違いながら、右へ左へとカーブを繰り返し、列車は進んでいきます。こんな山の中にある路線でありながらも、かなり多くの区間が複線化されており、列車の待ち合わせによる時間のロスはそれほど大きくありません。

 先ほどまで同じ目線の高さで見えていたツェルマットの街並みは、あっという間に遠い足下に点在するばかりとなり、その上方には街を覆い被さるかのようなU字谷が広がっています。この動きのある眺めこそ、スイスの車窓の楽しみと言えるでしょう。恐ろしい勢いで列車は坂を登り、最後はマッターホルンを目の前まで進んでいきます。

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 アプト式の利を生かして列車は急速に高度を上げ、森林限界を超えたところでアルプスの山塊が見えてきます。そして線路が東に曲がり、開けた谷間の向こうにマッターホルンと素晴らしい絶景が広がっています。(最初の写真です)


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 展望台が置かれてもおかしくないような素晴らしい景色の中を、列車は進んでいきます。誰もが心を奪われるような眺めであり、決して飽きることはありません。近くに見えるのどかな風景も、日本の鉄道では決して味うことができません。


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ゴルナーグラート鉄道 リッフェルベルク駅前

 駅から降りてもこのようにのどかな光景が広がっています。駅前を羊が横切っていく国なんてなかなかありませんよね。このように、鉄道で移動することが、単なる移動手段に終わることなく、宿に着くまでの楽しみを演出してくれるのです。他の地域ではなかなか味わえないものと言えるでしょう。


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 ゴルナーグラート鉄道の一部の列車には、車両の一部に広い窓を設置し、眺めを楽しめるようになっているものがあります。上の写真をよく見ると、手前の人たちのいる座席と奥の座席で段差があるのが分かりますが、手前の座席は窓が大きくなっているのがよく分かると思います。山を登る際には進行方向右側が谷側となり、マッターホルンを見ることができます。こちらに皆さんが座りたがるようですね。(この写真では写真奥側が麓のツェルマット、手前側がゴルナーグラートです)

 ゴルナーグラート鉄道は、100年以上前に開通した歴史ある登山鉄道です。山並みに沿って登っていくこの鉄道は、途中に5つの途中駅を持ち、終着点ゴルナーグラート駅にたどりつきます。ゴルナーグラート駅は巨大なマッターホルンとゴルナー氷河を目の前に見ることができる高所にあり、標高は3000mを超えているというから驚きます。駅舎はそのまま展望台の施設及びホテルと一体化しています。

 途中駅からもトレッキングのコースが幾筋も設けられており、有名な「逆さマッターホルン」を狙える場所もこのトレッキングコース沿いにあります。途中駅で降りて、途中駅で乗って、そのまま麓に帰るというルートも観光的には一般的です。

 以前のブログでもご紹介したように、ゴルナーグラート鉄道と途中駅から眺めたマッターホルンの眺めは忘れ得ぬものでした。スイスの鉄道の旅は、ご年配の方が好む印象がありますが、決して若い人が楽しめないということではありません。音の無い世界で眺める神秘の景色は誰もが楽しめるものだと強く確信しています。海外旅行のご検討の際にはぜひおすすめしたい場所ですね。

 次回は、名峰ユングフラウに登るスイスの鉄道から、素晴らしい車窓をお伝えします。



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# by vivid_bit | 2014-06-29 22:29 | EF24-70mm L USM
夕暮れ時はリバーサルフィルムと共に
 デジタルカメラ時代になって緻密な絵が普通になってきていますが、リバーサルフィルムのちょっと曖昧で独特の色合いもまた写真の良さを思い出させてくれます。

 この日は空気が恐ろしいほど澄んでいて、夕暮れ時には大変な光景が見えるだろうと期待してお台場へ向かいました。ところが現地に着いてみると、雲は重く垂れ下がり、薄く暗くなるばかり。落胆して、海に浮かぶ謎のサンリオキャラクターを眺めていた……その瞬間のことでした。


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CONTAX G2 + Planer 45mm F2 + RVP100 2010年8月 お台場

 沈みかけた太陽から、急に茜色の光が雲と地上との間に差し、雲を染め上げたのです。この光景に、砂浜で遊んでいた人々の動きは止まり、ただ立ち尽くすだけでした。

 リバーサルならではの油絵のような濃厚な描写は、まさに記憶色といえる美しさです。CONTAX G2とカールツァイスレンズ群は、劇的な場面を期待通りの美しさで描写してくれます。標準域のPlaner T* 45mm F2 もこれは同様ですね。

 ちなみに同じ場所で撮ったデジタルの写真は何枚もあります。別の時の写真ですがこの通り。

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EOS Kiss Digital N + SIGMA 24-70mm F2.8 EX DG 2007年6月

 端正で素直な描写で、これはこれでとても良い絵です。比較して見てみると、リバーサルの美しさはとんでもなく独特だというのがよく分かりますね。

 たまにはフィルムを手に出かけてみてはいかがでしょうか?



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# by vivid_bit | 2014-04-29 16:52 | Planar 45mm F2
六本木・東京ミッドタウンの桜を、EF135mmF2Lで撮る
 桜の写真 は実に難しいですね。多くの人が考える頭の中のイメージとは違って、実際の桜の色は案外淡く、ほとんど白色に近いものです。花の大きさも、数ある花の中でも小さい部類ですから、何となく道端から撮ってみると、驚くほどつまらない写真ができあがります。いざどう撮ってみるか、何と組み合わせて撮るのがいいのか、相当頭を悩ませる存在です。

 望遠で桜を撮るというのも一つの手でしょう。ということでキヤノンを代表する望遠単焦点レンズ、EF135mm F2L USMで六本木の桜を撮ってみました。


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EOS 5D Mark II + EF135mm F2L USM  東京・檜町公園

 桜の持つ妖艶な雰囲気をふんわりと写し出しつつ、花びらから枝まで解剖写真のように細かいところも描写してくれます。ボケもとても大きく素直です。

 ブログ上ではEOS 5D MarkIIの出番がやや少ないのですが、EF24-70mmF2.8 L USMとこのEF135mmL USMがあれば、結婚式でも、近場の旅行でも、イベントの撮影でも大概なんとかなります。85mmF1.8や50mmF1.4よりも圧倒的に出番が多い一本です。ボケがとにかく美しく、絞り開放でも安定した描写を見せてくれます。

 檜町公園は、六本木ミッドタウンに隣接した港区立の公園ですが、防衛庁の市ヶ谷移転とミッドタウンの再開発に合わせて一体整備されています。そのためミッドタウンとシームレスにつながっていて、互いの境界を感じることなく周遊することができます。この写真は檜町公園の中心にある池を取り巻く周遊路のそばで撮影したものです。



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EOS 5D Mark II + EF135mm F2L USM  ストロボ発光 東京・檜町公園

 朝は水蒸気やホコリが少なく、青空が澄んでいます。また太陽光が低い高度で当たり、花の陰が目立ちにくい朝は桜を撮影するのに絶好の時間帯です。歓迎会の多いこの時期ではありますが、仕事へ行く前のちょっとした時間を使って撮影するのも楽しいものです。

 この写真では加えてストロボの光を加えています。どうしても桜を撮ると太陽光の当たっている部分と日陰の部分のコントラストが付きすぎて、どぎつい写真になりがちです。そのイメージを緩和するために、全体に光を回して、バランスを整えています。




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EOS 5D Mark II + EF135mm F2L USM  ストロボ発光 東京・檜町公園

 建物を背景にすると、青空を背景にする場合よりも暗くでき、花びらの白さが引き立ちます。背景にしているのは東京ミッドタウンの建物でして、二枚目の写真を見るとお分かりの通り縦に伸びた構造体がボケて映り込んでいます。一枚目の写真に上下方向に流れるようなボケが映り込んでいるのはこのせいです。


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EOS 5D Mark II + EF135mm F2L USM  F2.2 ストロボ発光 東京・檜町公園


 つぼみからまさに開こうとしている桜を捉えます。かなりの高さにある桜の姿も135mmならこの通り。そして少しだけ絞ってF2.2にすると、よりシャープになります。



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EOS 5D Mark II + EF135mm F2L USM  ストロボ発光 東京・檜町公園

 望遠を使うときは背後をどう置くか頭を使わなければなりません。中心に雲、周辺に青空の広がる角度を見つけて撮影します。また背景の空と花びらの裏側の輝度差を圧縮するためにストロボを当ててます。

 桜の撮影と単焦点レンズの相性が良いかは悩ましいところです。桜を撮るときは足場が固定されてしまうことが多く、単焦点だとどうにも中途半端な絵になることもありえます。ボケさせすぎると何を撮っているのかわかりにくくなることもありますし、結局少し絞って撮るのならズームレンズの方が打率が高いということもありえますね。


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EOS 5D Mark II + EF24-70mmL USM  東京・六本木ヒルズ・毛利庭園

 ここからは六本木ヒルズに移動して、24-70mmで撮影してみました。ズームでこれだけ美しい描写を見せてくれるなら文句ないです。135mmと比べて背景との分離が難しくなりますが、六本木ヒルズ森タワーを背景にし、そのビルの特徴を見せつつ若葉を輝かせるという演出のためには、このぐらいの画角が良さそうです。

 毛利庭園は名前の通り、毛利家の大名屋敷がこの地にあったことに由来するわけですが、奇しくも六本木のライバルであるミッドタウンも、毛利家の屋敷跡がルーツとなる土地です。そして檜町公園はその大名屋敷にある庭園が元でした。時空を超えて毛利家の二つの大名庭園を散策しているというのもなかなか面白い点ですね。

 檜町公園と毛利庭園は、徒歩で20分程度の距離がありますが、港区のコミュニティバス「ちいばす」を使えば10分もかからずに到着します。20分に1本という頻度で走っており、六本木ヒルズ森タワーの真下に到着するという利便性の良さですので、ぜひ使ってみてはいかがでしょうか。




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EOS 5D Mark II + EF135mm F2L USM  F7.1 東京・六本木ヒルズ

 最後は135mmに戻っての一枚。六本木ヒルズのルイ・ヴィトン前の桜です。六本木ヒルズの広場へのエントランス部分にあり、多くの人がカメラを向けていました。

 歴史ある桜は枝振りもよく大変風流なのですが、大都会の真ん中に咲く桜の姿も美しいものがあります。絞ってF7.1で撮ると、これが同じレンズなのかと思うほど大変緻密な絵になります。EF135mm恐るべしですね。



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# by vivid_bit | 2014-04-06 00:14 | EF135mm F2L USM


カテゴリ
全体
DP2 Merrill
SWH 15mm F4.5 II
Summilux 35mm F1.4
NOKTON50mm F1.5
Biogon 21mm F2.8
Biogon 28mm F2.8
Planar 45mm F2
Sonnar 35mm F2.8
Distagon 35mm F1.4
Planar 50mm F1.4
Planar 85mm F1.4
Vario-Sonnar80-200mm
EF-S10-22mm
EF50mm F1.4 USM
EF24-70mm L USM
EF85mmF1.8 USM
EF135mm F2L USM
EF100-400mm F4.5-5.6
SP AF17-35mm F/2.8-4
XF35mmF1.4 R
XF18mmF2 R
その他
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